薄桜鬼 逆トリップ 斎藤

□運動会
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「運動会?なんだ、それは?」

一也と斎藤さんの会話が聞こえてくる。

「だからぁ、駆けっこしたり玉入れしたり・・・」

「かけっこ?玉?」

「つまりさ・・・ああっもうっ、姉ちゃん説明してよ」

声がかかったので私も会話に加わり

「運動会というのは、走る速さを競ったり色々な力を競う競技をする場なんです。あ、練習をしたダンス・・・踊りを見せたりもします」

「ふむ、成る程。それが近々あるというのだな」

説明に納得した斎藤さんが一也に問いかける。

「うん、今度の土曜日!だから斎藤さんも姉ちゃんと一緒に来てくれよ」

「俺も?・・・良いのか?」

少し驚いた様子で聞き返す。

「来て欲しいんだよ。・・・姉ちゃんだけじゃ、寂しいし」

一也が少し甘えた様子で斎藤さんに言う、斎藤さんは自分が行っても良い物か思っているようだ。

「私からもお願いします。お昼は一緒にお弁当を食べるんです」

両親のみならず祖父母も来る家がある中で、姉弟ふたりだけはかなり寂しい。

「ああ、分かった。では、楽しみにしている」


そして運動会当日の朝、
パンパンという大きな音が響いた。


「敵襲かっ?!」  


お約束のように斎藤さんが驚くと一也は

「プッ、敵襲って・・・
運動会をやるっていう合図だよ」

「そ・・・そうか。そうだな、敵は・・・居ないな」

「いや。敵は赤組だ!」

一也は白組か・・・聞き忘れていたけど分かったわ。

「白組、応援すれば良いのね。・・・・あれ?もう行くの?」

「うん、体育委員だから早く行くんだ。
・・・じゃあ、学校で会おうっ!」

今までになく元気に学校へと向かって行った。
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