□元気のない彼女
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※あかりちゃん視点



佐伯君が学校に来なくなってからずっとゆかりちゃんの元気が無く、顔色も悪い。お昼も少しだけしか食べていない。

若王子先生の説明だと佐伯君は家庭の事情とか言って今は他の学校に行っているらしい。どうもかなり遠くみたい。

ゆかりちゃんは細かいその事情を知っているみたいだけど、あまり良い話ではなさそう。
すごく悩んでいるのは伝わってくるんだけど、自分の事は言わないで全部抱え込んでいる様子。

このままじゃ、ゆかりちゃんが倒れちゃいそうで心配。でも私には何もできない・・・・

でもあの人なら出来るかも?

そう思い私は動いた。

「ねえ、ゆかりちゃん、最近モデルの仕事は無いの?」

頼りの人を見かけないから・・・

「今月と、文化祭が終わるまで休み貰ってる」

そう、もう文化祭の準備期間に突入したのだった。

「ふうん、葉月さんも、休み?」

「ううん、珪君は普通にやってるよ。今日も撮影じゃないかな?」

よし、良い情報ゲット。

「ね、撮影ってさ、アルカードって喫茶店の隣のスタジオでしょ?」

「うん、そう。アルカードのコーヒーもケーキも美味しいよ。今度行こうね」

ふんわり笑うゆかりちゃんは、毎日会ってる私が見ても痩せた。
それに、この笑顔もどこか無理してるのが伝わってくる。


――絶対、私が助けてあげるからね――


もう、佐伯君には渡さないんだから。


そして、みんなが残って文化祭準備をしている中、私は急いで目的地へと向かった。
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