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□嘘
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珪君が言う「しばらく一緒に住もう」も「甘えろ」も私を心配しているからだ。
――甘えてしましたい――
でも、それは出来ない。
「そんなに甘えられないよ」
私はそこまで珪君に甘える理由が無い。
「お前が俺の家に来ないのなら、俺が帰らない」
「なんで―――」
どうしてそこまで私にしてくれるの?
私が聞きたくて珪君を見つめれば、軽く溜息をつき
「もう、黙っているわけにはいかないな。
話、聞いてくれるか?」
真っ直ぐに見つめて聞く珪君に私は頷いた。
※珪視点
俺にそんなに甘えられないと言うゆかりに本当の事を言う時が来たと思い離し話し始めた。
「ゆかり、俺はお前に嘘をついていた」
「嘘?」
「ああ・・・ずっと・・・な。
俺は、お前を妹のように接している」
「うん・・・」
ゆかりも俺を何度もお兄ちゃんみたいって言ってるから頷く。
「俺は、お前を妹のように思った事は一度も無い」
「え・・・・」
「好きなんだ。お前を。妹のように思って好きなんじゃない。
初めて会ったときからずっと・・・1人の女としてしか見た事は無い」
驚いて固まっているゆかりを抱きしめながら言葉を続ける。
「傷ついて弱ってるお前を放っておけない。
・・・愛してる・・・だから」
弱みに付け込むようなやり方だけど、離したくない。