GS トリップ1

□プロローグ
2ページ/2ページ

出会い

家に居たって仕方がない。会社に行く必要もなさそう・・・っていうか、行けないし。
海岸が近そうだから、まずは海岸にでも行きますか。

身支度を整え、少し歩いて海岸へ出る。
砂浜で海を眺めながら
「人魚に会える 海・・・か」
ゲームを思い出して、思わずつぶやいてしまった。

「え?」
と横で声がした。

しまった。人がいたんだ。人魚なんて言っちゃったわ。恥ずかしいかも?

そっと声がしたほうを見ると、見覚えのある顔があった。
わおっ!すごい、佐伯瑛だ。本当にGSの世界なんだ。

「お前、今、人魚っていたよな?」
キラキラした笑顔で聞いてきた。
「えーと、言ったっけなぁ」
「言ったよ。確かに。人魚ってさ」
うわ〜、嬉しそうだ。しかもタメ語だ。

「なぁ、お前人魚なのか?」
そんなわけないだろっ!と思いながら
「いや、ほら、人魚が現れそうな海かなってね」
しどろもどろになってしまった。

「じゃあ私、行くね」
と立ち上がって気が付いた。
トリップしたてで、右も左もわからない。
「えっと。お願いがあるんですけど、良いでしょうか?」
「ん?なに?」
人魚の余韻なのか?機嫌の良さそうな瑛君を見上げる。

「私、昨日引っ越してきたばかりで この辺りの事がわからないんです。この辺りの地図があったら欲しいんだけど、なかったら、コンビニか本屋さんを教えて欲しいな?」
ついでに首を傾げてみた。

瑛君は少し顔を赤らめて
「地図なら店にあるから、やるよ。ついて来いよ」

やったー。マスターに会えるのかな?
次の章へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ