GS トリップ1
□入学式〜新しい世界
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入学後慌ただしく日々が流れて行った。
ある日の帰り、瑛君は女の子に囲まれて困っている様子。うわぁ、あのスチルか。
ひょっとして、あかりちゃんが通りかかって瑛君が声をかけるのかな?ワクワク。と思っていたら瑛君が私に気が付き
「やぁ、東さん。君も今帰り?まだ道、分からないんだったよね?一緒に帰ろう?」
ふぇ?それってあかりちゃんが言われるセリフでしょ?
口をパクパクさせていると女の子達は
「あ、ゆかりちゃんだぁ」
とにこやかに手を振ってきた。
そう私は親衛隊と仲が良いのだ。
だって毎日席の隣に来るんだもん。自然と仲良くなっちゃったわ。私は現実世界じゃ女子校育ち、女の子ときゃいきゃいやるのは得意なのよ。
スチルのように「ズルーい」の言葉も無くあっさり二人で帰る事に成功。
瑛君と二人で話しながら帰る事になった。
「ところでさ、気になったんだけどお前って男、怖いのか?」
「え?なんで?」
「お前、男が声かけると顔ひきつる。入学式の時も泣きそうだった」
ああ、あれね。
「怖くはないよ。でもちょっと苦手かも。一人なら良いけど大勢だと慣れてないから」
女子校だったもん。
働いていた時も女子が多い職場だったし、もちろん普通に1対1の会話ならなんとも無い。
「・・・とやば、今日、店忙しいんだった」
「大変だね」
「ああ、バイトが一人やめちゃって。新しい人を入れようって言ってるんだけどな。・・・そうだ、ゆかりってバイトしてないよな?」
「うん、まだやってない。始めたいって思ってるんだけどね」
一応、現実世界のお金がリッチになって貯金してあるから結構余裕はある。けどバイトしてみたい。
「だったら、丁度良いな。な、これから店、来いよ」
やたら機嫌の良い瑛君に付いて珊瑚礁の中に入った。
「じいちゃん、新しいバイト連れて来たっ」
はい?新しいバイト?
「なんだ瑛、大声で・・・・おや、こんにちは、お嬢さん」
うわぁ、生マスターだ。かっこいい。ダンディ。
「こんにちは、東ゆかりです」
とりあえず、自己紹介した。
「可愛いお嬢さんじゃないか、瑛がガールフレンドを連れてくるとは思わなかったね」
ガ・・ガールフレンド?なんか思いっきり勘違いされているんだけど。
なのに瑛君てば
「じいちゃん、新しいバイトを入れるって言っていたろ?コイツどうかな?って思って」
え?私珊瑚礁でバイトできるの?嬉しいけどあかりちゃんは?
「瑛が気に入ったのなら良いんじゃないか。感じが良いお嬢さんだから問題ないよ。よろしくゆかりさん」
「よろしくお願いします」
なんか、勝手に決まった感じがしなくもないけど、こうして私のバイトが決まった。
瑛君はと言うと、なぜか終始上機嫌だった。