GS トリップ1

□体育祭・Wデート
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高校には体育祭って面倒な行事があったんだよね。体育祭なんて何年振りよ?

一応現実世界でも経験してるけど、幼稚園から大学までの女子校で何を考えているのか?学園全体の合同体育祭なもんだから、出番なんてほとんど無かったし、大学の時は単位が惜しいから出たけど、木陰でずっと寝てた。

うーっ。かったるいな・・・。とは思うけど楽しんじゃったほうが良いかな?と思い直す事にした。

えっと私が出る競技は二人三脚か。嫌だなひょっとして男子と組むの?本当に勘弁してほしい。具合でも悪くなったら出ないで済むかな?
などと、うだうだ考えていたら実行委員の子が来た。

「ゆかりさん、あなたのペアの男子が怪我をしちゃって二人三脚に出られなくなってしまったの。急で悪いんだけど相手を探して貰いたいんだけど」
え?ただでさえ憂鬱なのに、どうしよう困ったな。と思っていたら瑛君が通りかかって聞いてきた。

「あれ、どうしたんだい?」

う、プリンスモードだ。

「あ、佐伯君。今ねゆかりさんのペアの男子が怪我しちゃったから変わりの相手を探そうって話していたのよ」
「へえ、じゃあ僕が出るよ」
え・・・私と瑛君と、で?
「本当?だったらよろしくね」
実行委員の子は安心して行ってしまった。

「ね、瑛君。私と瑛君とじゃ、体格差がありすぎだよ」
「お前、チビだから誰とでも一緒だろ」
うううっ反論できませぬ。
「とりあえず、練習してみるか」
そう言って、二人で練習をしてみた。

「ね、やっぱり私、瑛君の足を引っ張ってるよ」
だって一緒に動く、というより振り回されている感が強いもん。
「大丈夫だろ、それにお前くらい楽勝で片手で持ち運べる事が良く分かった」
へ?持ち運べるって、どういうこと?

そんな事している間に競技開始の時間になった。

スタートの合図のピストルの音と共に走り出す私たち・・・

あれ・・私、足、付いてないんだけどぉっ!
私は持ち上げられたまま、ゴールした。

ゴールしたら、はるひが声をかけてきた。
「一位、おめでとうさん。でもゆかり足、持ちあがったままやったなぁ」
バレてたみたい。

「ゆかりちゃん、なんか佐伯君の持ち物みたいだったよ」
とあかりちゃんには笑われた。

佐伯くんてば
「だから楽勝で持ち運べるって言ったろ」と涼しい顔。
これが原因で親衛隊に睨まれたらどうするのよ。

「いやぁ、それにしてもお前本当コンパクトだよな。やっぱり持ち運び型だ」
などと人に対して言う言葉じゃない言われ方をした。
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