GS トリップ1

□モデル
1ページ/2ページ

「葉月の相手役モデルをやって頂けないでしょうか?」

突然頼まれた私
ただ、ただ驚いてしまった。

「無理ですよ。だってモデルさんって美人で背も高くないと・・・だし。ほらそれに葉月さんは女性モデルとの仕事を嫌うって有名ですよね」

慌てて色々言ってしまう。
そんな私にスタッフは笑って

「いや、大丈夫。顔は問題無いし、背は確かに低いけど座るとか考えれば大丈夫。あと確かに葉月は女性モデルとの絡みは嫌うけど今回は葉月が君なら…って言ってるんだ。
もしも君がモデルを引き受けてくえたら、またココ撮影で使うから、ね」

どうしよう・・・。
困った私は思わず瑛君を見た。

「自分で決めろ。まあ、断っても珊瑚礁としては全く構わない」

不機嫌そうに言われてしまった。

でもスタッフさん達のすがるような視線に耐えられず。

「えっと・・・・じゃあ、やります」

私の返答に瑛君は軽くため息をついて

「コイツが珊瑚礁の従業員だという事は分からないように頼みます。

それと、ゆかり 若王子にモデルの件連絡しておいたほうが良い」

そうだった!学校。
バイトは禁止されていないけど目立つ仕事になっちゃうから一応連絡しておいたほうが良い。

学校への連絡が済むと私はすぐにメイクされ着替えさせられた。

スタッフさん達は大喜びで

「想像以上。これはイケる」


そして瑛君は益々不機嫌そうになってしまった。

「あの…よろしくお願いします」

まさか自分がモデル体験するとは思わなかった。

「細かいポーズは珪に説明済みだから、君は葉月の言う通りにしていれば問題ないからね。ほら緊張しなくても大丈夫」

カメラマンさんの声掛けで撮影が再開した。

私は葉月さんとカップルという設定みたいで軽く肩を抱かれて海を眺めている。
時々顔がかなり近くてドキドキしてしまう。
そして珪君の優しそうな笑顔に引き込まれそうになる。

「…アイツ、彼氏、なのか?」

不意に珪君がつぶやいた。

「え?アイツって?」

視線をあげると瑛君目が合った。
そしてすごい顔で睨んでいたのだった。

「いえ、彼では無いです。クラスメイトで一緒に働いているだけです」

「そうか」
次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ