GS トリップ1

□再会
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夏休みが終わり、新学期が始まった。

バイトが無い日、たまには寄り道をしようかな?等と考え歩いていると

「遅いんだよ、お前は」

瑛君の声がした。

「約束してたっけ?」

「してたんだ」

そうだったかな〜一緒に帰ろうなんて言われた事無い。

まあ、いいか。
ここで否定したら怒るか、チョップだ。

「じゃあ、喫茶店に寄ろうよ。
行きたい店があるんだ」

「へえ?どこ?」

「アルカードって店なんだけど・・・」

「ああ、俺も一度行ってみたいって思っていたんだ」

やっぱり、チェックしてたんだ。


店に着くと外も中も凄い人だった。

「ずいぶん、混んでるね」

「ああ、女性客ばかりだ。しかも年齢層が幅広いな」

2人で中を見渡す。

「いらっしゃいませ。
申し訳ありませんが、カウンターでもよろしいでしょうか?」

マスターらしき人に声をかけられる。

「はい、もちろん」

カウンターだと中の様子を伺えるので瑛君は少し嬉しそう。

メニューは珊瑚礁とあまり変わらないな。
そんな事を思いながらケーキとコーヒーを頼んだ。

コーヒーを注文してしばらくすると店の中の雰囲気が変わった。

どうやら、今入ってきた客の所為らしい。

もしや?と思って視線をあげると
葉月さんだった。

マスターに軽く会釈をするとカウンターの奥、私の隣に腰掛けた。

私に視線を移し

「ゆかり・・・どうしてココに?」

少し驚いた様子だった。

「コーヒーとケーキが美味しいって聞いたから来てみたかったんです。葉月さんは撮影ですか?」

「ああ・・・。逃げて来た」

「え?逃げて、って?」

思わず聞き返してしまった。

葉月さんの答えを待とうかと思ったら
勢いよく店のドアが開き、マネージャーさんが入ってきた。
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