GS トリップ1
□文化祭
1ページ/5ページ
文化祭が近づいている。
うちのクラスは喫茶店をやるのだが、『普通じゃ面白くないよね』という声があがりどんな喫茶店にするかの話し合いの真っ最中である。
「やっぱりメイド喫茶?」
「だったら執事もつけようよ」
もしもそうなったら・・・絶対メイドやらされそうだ。瑛君は絶対執事だな。
なんて思っていると
「他にやるクラスがありそうだしつまらないよ。衣装の準備も面倒じゃない?」
なんて声をあがる。
「じゃあメイド喫茶は却下だな」
良かったメイド服は免れそうだ。
話し合いを聞きながらほっとする。
「お前、今、ほっとしたろ?」
隣で瑛君が小声で聞いてくる。
「自分だって執事やらずに済むって思ったでしょ?」
「まあな」
あら?素直。珍しい。
・・と思ったら私たちの後ろに若王子先生が居た。
「東さん、佐伯君、なにか良い案はないですか?」
急に振られた。
慌てて考える。衣装が変わっていても用意が楽なの・・・・・・!!
「和風喫茶なんてどうですか?」
「和風?」
はるひが聞き返してきた。
「うん、ちょっと寒いかもだけど浴衣で接客してお菓子は和菓子。
飲み物はコーヒーや紅茶、煎茶もあったほうが良いのかな?」
コーヒーと和菓子は意外と相性が良いのがある。
特にあんことバターを組み合わせたようなお菓子だとすごく合う・・・と思う。
「良いな・・・浴衣なら持ってる奴が多いからお揃いのエプロンを用意するだけで済むし、食器も一層の事湯呑にしちゃえば家庭科室のを借りれるか・・・」
クラス委員が乗り気になった。
そうなると、周りからも
「それでやってみるか?」
「準備はラクなほうが良いよ」
「良い案ですね〜東さんグッジョブです」
若王子先生がニコニコ言って、我がクラスは和風喫茶に決定した。
そしてそのまま役割分担も決めたんだけど、私は自分の意見を言う前に接客&宣伝担当にされてしまった。
「現役モデルが接客なんて、すごい売りになるよね」
だそうだ。
しかもクラスの宣伝ポスターは羽学プリンスとモデルのツーショットを使えるって盛り上がっていた。