GS トリップ1

□ダウン(瑛視点)
1ページ/3ページ

文化祭が終わり、平穏な日常が戻ってきた。

そんなある日の朝、ゆかりの顔色が悪い事に気が付いた。
少しフラフラしているような気もする。
かなり調子が悪いんじゃないのか?

気になり聞くと
「頭痛がいつもより酷いかな?でも朝、ちゃんと薬を飲んだよ」

そういう問題じゃないだろ。
調子が悪い時は休めよ。と思っていたら

1時間目の終わりに立ち上がろうとして、そのまま倒れた。

いや・・・・・
倒れる前に俺が支えたから倒れはしなかった。

けど

「おいっゆかり!大丈夫か」

そして教師に

「保健室に連れて行きます」

そう言って、抱き上げ保健室へ走った。

「多分、疲労と睡眠不足ですね」

保険医がそう言ったので少し安心するが、

《いつだって、無理しすぎなんだよ、お前は》

心の中で呟きゆかりの寝顔を見る。

そのうちに俺も落ち着いて来て、自分のした事を思い出し、顔が熱くなる。

慌てていたとはいえ、ゆかりの名前を呼び捨てにして、横抱きで教室から走ってきてしまったんだ。

普段、親しくない振りをしているのに
倒れるゆかりを見て仮面なんて忘れてしまった。

書類を手にした保険医が

「佐伯君、彼女早退したほうがいいんだけど、
保護者代理の方の確認を若王子先生に確認したいから、少し彼女の事頼むわね」

そう言って保健室を出て行った。

俺とゆかりの2人保健室に残された。
次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ