GS トリップ1
□守りたいから
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その日は、テストが終わり、いよいよクリスマス一色となっていた。
学校に着くとやけに騒がしい。
ひそひそとゆかりの名前、そして葉月さんの名前が囁かれている。
ゆかりは暗い顔をして海野や西本に挟まれている・・・いや、あの2人が他の奴が近づけないようにガードしている感じだ。
「なあ、何かあったのか?」
近くに居たクラスメイトに聞いてみる。
「佐伯、知らないのかよ?
東さんと葉月珪のデート写真がネットで出されて大騒ぎなんだぜ」
「それ、本当か?」
「ああ、見るか」
そう言ってスマホを出しネットニュースを見せてくれた。
『葉月珪、熱愛!相手は専属モデル!』の文字
そして数枚の写真。
2人でアクセサリーを見ている写真もある。
葉月さんを見上げるゆかりと少しかがんだ感じに話しかけている様子の葉月さん。
心がチクリと痛んだ。
チャイムが鳴り、席についた。
「写真、見たよ。お似合いだな」
思ってもいない言葉が口から出る。
「・・・瑛君もそんな事言うんだ。
誤解だよ」
そう言うと俯いてしまった。
「誤解って?」
俺の言葉は先生が教室に入るドアの音でかき消された。
《誤解ってなんだよ?》
聞きたいのに休み時間は海野と西本ががっちりガードしていて近づけない。
やっと帰り時間となって話を聞けると思ったら
「東さん帰りに僕の所に来てください」
若王子が呼び出した。
帰って電話で聞くとするか。
校門にいる芸能記者らしき奴等の横をすり抜け珊瑚礁へ急ぐ。