GS トリップ1
□パーティ
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熱愛騒動が落ち着き、私の周りも静かになった。
ただ、少し珪君の過保護度がアップした気がするけど、それだけ迷惑かけちゃったんだよね。
ちょっと反省。
そしてクリスマスパーティ当日となった。
私と瑛君は時間まで珊瑚礁で働いていた。
ケーキの人気がある店なので常連さんにはクリスマスケーキを承っていて、その受け渡しや夜は混むのでその準備に追われていた。
「じいちゃん、やっぱりパーティには行くのやめて俺、店に出るよ」
瑛は珊瑚礁の事が心配でたまらないのだ。
「大丈夫だ。もうすぐバイトが来る。学校行事は出ないとダメだ。それにお前が行かないとゆかりさんも行くのをやめるだろうね。それで良いのかい?」
《私の事はお気遣い無く》
そう言いたかったけど、マスターはそれを望んではいないだろう。
「瑛君、マスターが言ってくれてるんだから、行こう?」
声をかける。
そして準備のために更衣室に入った。
ドレスは撮影で着た物でちょっと大人っぽい。
そしてアクセサリーやバッグはあの日珪君が選んでくれたものだ。
そして少しだけ化粧をした。
鏡の前で一回り。うんOKおかしく無いみたい。
更衣室から出ると準備が終わった瑛君が待っていた。
「へぇ・・・・」
そう言ったきり黙ってしまった。
「へぇ、って他に感想は無いの?ひょっとして似合ってない?こういうの嫌い?」
「いや、好き。すごく可愛い・・んじゃないか?あ、ほら、やっぱりモデルだな、うん」
やったー。可愛いって言ってもらえた。
「ほら、行くぞ。
・・・・・手、普段、履き慣れないヒールの靴なんだろ?お前、トロいからこけそうだ。手を貸してやる」
「あ、ありがとう。
な、なんか照れるね」
「言うなよ、意識しないようにしてるんだからさ」