番外編

□抱きしめらて
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「なあ、2人で出掛けないか?」

突然珪君に誘われた。

少し考えて断る理由が見当たらなかったので

「うん、行こう、行きたい」

そうして出掛けた先は臨海公園だった。

「なあ、船、乗ってみないか?」

「船?」

「ああ・・・乗ってみたいと思って」

「うん、私も乗りたい楽しみ」

2人で、話しながら歩いていると

「あれ、葉月!久し振りだね」

声をかけられた。
声のしたほうを見れば見覚えのある人が2人。

「藤井・・・と姫条」

そうそう、GSの奈津美ちゃんに姫条君だ。

「葉月、えらい久し振りやな・・・卒業式以来か?・・・・って、ごっつうカワイコちゃん連れてるな、紹介してくれ」

カワイコちゃんって言われちゃった。

「なにバカ言ってんのっ。他人の彼女に色目使うなっ」

うわっ奈津美ちゃんの痛そうな突っ込みが姫条君に入った。

「でも、こないなカワイコちゃん放っておくなんて無理やろ」

「私という彼女の前で、そういう事言うな」

そのやり取りを見て苦笑しつつ

「東ゆかりです珪君の仕事仲間?です」

「え?彼女じゃ無かったの?」

奈津美ちゃんが驚いたように聞いてくる。

「ああ・・・まだ」

珪君の返事に姫条君は肩を叩きながら

「ひょっとしてまた、同じタイプかい、頑張れよ・・・」

同じタイプって・・・?

姫条君と珪君のやり取りを見ながら少し考えていた奈津美ちゃんが思いついたように言った。

「もしかして、ゆうかのよく言ってたゆかりちゃん?」

そうか、ゆうかさんの事、知ってるんだ。

(作者注:GSの世界にトリップしていた知り合いのお姉さん、彼女は元の世界に帰っています)

「葉月、会えたんだ。良かったね」

「ああ・・・やっと会えたんだ」

今度は他の人も一緒に合う事を約束して別れた。
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