GS トリップ1

□テスト・誕生日
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もうすぐ瑛君の誕生日、
当日は、やっぱりすごい騒ぎなのかな?
と思い、学校の様子は はるひに珊瑚礁の様子はマスターに聞いてみた。

思った通り、学校では1日中追い掛け回されプレゼント攻撃で特に昼休みの昼食タイムは壮絶なものがあるらしい。

はるひの予想では、今年はもっとすごい事になるんちゃうかな?だそう。

珊瑚礁では、ケーキのプレゼントが凄いとマスターが申し訳なさそうに教えてくれた。


誕生日当日、聞いていた以上にすごい騒ぎだった。

朝だけでグッタリしてる瑛君の机に

『昼休みに先生が呼んでるよって声かけるから、中庭のいつもの場所で待っていてね。昼食も私に任せてね』 

と書いた手紙を置いた。

瑛君は手紙を読んで、チラっと私を見て頷いたから多分私の計画は上手く行くと・・・思いたい。

4時間目が終わると当然のように女の子達が押し寄せた。
「佐伯君、若王子先生が呼んでいたよ。急ぎみたいだから急いで」
「あ、そうなんだ。それじゃ皆、申し訳ないけど僕、行くね」
と笑顔を残し教室を出て行った。よしっ。ここまでは計画どおり。

私も荷物をまとめて教室を出て、中庭へと急いだ。

中庭に着くと佐伯君はもう来ていて
「お待たせ。はい、お昼ご飯」
そう言いながら用意してきた弁当を渡した。

「サンキュ、作ってきてくれたのか?」
「うん、お口に合うと良いんだけど」
多分、佐伯君は舌が肥えてるよね。
本当に口に合うといいなぁ。

「へえ和風だ」
「うん、ケーキを沢山食べるみたいだから和風にしたの」

こってり味の後にケーキ攻めはきついからね。

「この照り焼き、ピリッとしてるけど・・」
「あ、それはね山椒でアクセントつけてあるんだ」

辛いもの好き用に和風で考えたら、山椒を利かせた味しか思いつかなかった(唐辛子じゃ普通すぎてつまらないし・・)

「この和え物は?」
「これはね、ほうれん草ときのこの梅肉和え。サラダ感覚でどうかな?って思ったんだ」

さすが佐伯君。おかずに興味津々。
他にも色々質問されながらの昼食となった。

「すぐに作り方を答えられるって事は、ゆかりが作ったんだよな。なんか意外だ」

「意外って・・・どういう意味かなぁ。それに私以外誰が作るのよ。私1人暮らしだよ。
 それに弁当作りだけは好きなんだ」

「え?ゆかりって1人暮らしだったのか?」
「言ってなかった?」
「ああ、初耳。・・・ところでさ、弁当作りだけは、ってどういう事だよ」
「うーん、他はなんだか面倒なんだよね。作るのも食べるのも」

こうは言ったけど、一番面倒なのは食べた後の片付け。
1人だからってフライパンのまま食べるわけにもいかないし。
1人で食べて全部片付けて・・ってなんかすごく寂しくなる。

瑛君は納得がいかなそうな顔してたけど本当の事だから仕方無い。

予鈴が鳴る時間が近づいたので
「じゃあ、私は先に行くね」
一緒に教室に戻る訳にはいかない。

「ああ・・美味かった。ありがとな」
良かった。美味しかったんだ。
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