GS トリップ1

□夏休み
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図書館の中に入ったら、あかりちゃんに尋ねられた。

「ひょっとして、ゆかりちゃんって課題もう終わっていたりする?」

「実は・・・自由研究以外は終わってる」

「えーっ、まだ8月に入ったばかりやん」
「まじか?写させろ」
「すごぉい、さすがゆかりちゃん」

三者三様の反応が返ってきた。

「なんか暇だからつい、終わらせちゃっただけだよ。写させるのは無理だけど、分からないところは教えるから任せて」

勉強が始まったら意外と集中してかなり進める事ができ、あっという間にお昼の時間になった。

「なあ、今日はもう勉強は終わりにしてお昼食べてからカラオケにでも行こうぜ」

「あ、ええなぁ、それ」

「うん、いいねそれ。ねゆかりちゃんも良いよね」

そんな事話してたら携帯が鳴った。
瑛君からだ。

「あ・・・もしもし?俺。
なぁ、今から店来れないか?
無理だったら、良いんだけど・・」

「どうしたの?」

「いや・・急に団体の客が来る事になったから手伝ってもらいたいんだ」

そういう事なら勉強会は終わったのだから良いだろう。

「うん、多分大丈夫」

「多分、じゃ困る」

あー、面倒くさい。

「わかった、みんなに言ったら行くよ。
・・・私、お昼まだなんだけど?」

「仕方ない。作って待っていてやる」

「ふわとろオムライス!」

「お前、なぁ・・」

ブチっと電話を切ってやった。

「どうしたの?ゆかりちゃん」

あかりちゃんが聞いてきた。

「バイト先から、急に午後シフトに入ってくれって頼まれたの。だから今日はこれで・・ごめんね?」

「え〜随分急だね。酷くない?」

「だからお昼をタダで用意してもらうんだ」

オムライスの為に急いで珊瑚礁に向かった。


珊瑚礁に着くと、オムライス・・・じゃなかった瑛君が待っていた。


「お待たせっ」

「ああ・・・悪かったな。・・・って言うか、電話ブチ切りするなよ」

「ところでさ、誰か・・・って誰だったんだよ」

「ハリー・・・針谷くん」

「針谷か・・・」

「知り合い?」

「まあな。それより早く喰え」

自分が聞いてきたんじゃないのさ。

オムライスは、すっごく美味しかったんで良しとしよう。


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