ぷよぷよ

□甘い御菓子はいかが?
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「先輩、お呼びですか?」
「ボクにいったい何の用?」
レムレスの依頼通りシェゾはフェーリとアルルの二人をレムレスのもとへ連れてきた。
「やぁ、待ってたよ」
見るとテーブルが一つ増えていて、その上にはテーブルクロスが敷かれ、いろんな御菓子で埋め尽くされていた。
パフェにエクレア、タルトにシュークリーム、アップルパイ、ホットケーキなど、レムレスらしいセレクトの御菓子がビッシリと並んでいた。
「もしかしてこれをボク達で全部平らげろということ?」
「うーん、なんとなくだけど、シェゾと二人も呼んで四人で御菓子食べたかったんだよね」
「先輩....」
若干1名がお花畑モードに突入していた。
「フェーリはわかるとして、なんでボク?」
「ふふ、シェゾのため。シェゾとアルルって、お似合いだなと思って」
にやけているのを隠しきれないレムレス。
目線をシェゾに向けると、彼はなんで、と言いたそうにレムレスを見ていた。
一方アルルは赤面したまま固まっていた。
「ね、この二人、絶対仲良いよね、フェーリ」
「ええ、この二人は何かで結ばれています」
「な、なんだよソレ」
「運命の赤い....「!?」
二人の声にならない叫びがハモる。
フェーリが糸と言い終わる前にお互いの姿を確認し合うと、いつもと変わらない姿が目に映る。
「運命の赤い糸かぁ、たしかにボク、この世界に来てシェゾと再会した時はすごく嬉しかったなぁ」
「そう、それが貴方達を繋ぐものよ」
「な、なんだかよくわからんが、俺がコイツと繋がってるってことか」
「そうだよねぇ、シェゾとアルル、お似合いだよ」
なるべく冷やかさないように意識しつつレムレスは二人を囃し立てるように言った。
「そっか、ボクはレムレスとフェーリもお似合いだと思うよ」
「俺も同感だな」
「先輩....」
二人の感激して赤面するフェーリ。
対してレムレスはこう答えた。
「僕は大好きだよ、フェーリ」
「せ、先輩?」
嬉しい、確かに嬉しいけど....人前であまりにはっきりと言うもので、フェーリは驚いた。
「よかったね、フェーリ」
「先輩....(カァァ)」
「ふん、見せてくれるじゃないか」
フェーリは赤面したままでレムレスの顔をしばらく見れずにいた。

「さ、みんなで甘い御菓子を食べようよ」
「まぁ、いっか....」
四人はテーブルの上に並んだ大量の甘い御菓子をゆっくりと着実に口にした。
しかし腹が膨れるほど食べてもまだ余るほどレムレスは大量の御菓子を作っていたようだった。
「まったく、こんな余るほど作ってどうすんだ」
「まあまあ、余った分は僕が持ち帰るからさ」
「勝手にしろ」

それからというもの、レムレスはフェーリを見つけては即話しかけて二人してお花畑モードに突入した。
シェゾとアルルは、フェーリから聞いた赤い糸の話しの影響で少しずつお互いを考えるようになった。
考えてみればなんだかんだでシェゾはサタンの迷惑を止めるアルルを心配してついていくなど、魔力目当てとはいえアルルにはちゃんと気を配っていたのである。
レムレスはそういったシェゾの様子を知った上であのときフェーリだけでなくアルルも呼んだのだろう。
そしてレムレスはシェゾを見つけるとアルルとの関係についてしつこく聞いてくる。
聞いてにこりとするとシェゾは不機嫌そうな顔して去っていく。
これがいつの間にか日常となっていたのである。
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