短編物語
□歌姫の祝い唄(後編)
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結婚パーティーの会場のテラスでハンジ、リヴァイ、なまえは時間になるまで会話することにした。
その間も男はなまえを見続けている。なまえはそちらを見ないようにとハンジに言い付けられているため見てはいないがその方向から冷たい視線と悪寒がするのは確かだった。
ただ、ただみんなを元気にしたいだけだった。
公園で何気なく歌った歌が、子供に勇気と元気を与えた。
そのことがうれしくて、ずっと公園で歌っていたら今度は大人の人にも勇気と元気を与えていた。
公園からどんどん場所を広げていって、今回初めてパーティーの舞台で歌が歌える。
この上ない幸せだ
だが、その幸せが壊れるかもしれない。その男によって
だからせめて、すべてが終わってからにしてほしい。
あの夫婦になる二人を盛大に祝福してから、殺されたい。
それなら、いいかもしれない。
そんな風になまえは考えるようになっていた。
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