短編物語
□魔法の言葉
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『とりっく、おあ、とりーと』
「あ?なんだそりゃ」
『この前、資料で見つけた…お菓子が手に入る…魔法の言葉…らしい』
「………意味がわからん」
無表情で抑揚のない喋り方をするのはみょうじなまえ
大人しく真面目なのだがどこからかわからない知識を手に入れてはリヴァイに披露する
リヴァイは奇行種その2と呼んでいる
なまえの発言にハンジが身を乗り出す
「それって、はろうぃんって奴でしょ!?」
『うん、はろうぃん…お菓子が、手に入らなければ、悪戯していい…らしい』
「は?悪戯?」
『つまり…とりっく、おあ、とりーと…と言われた人間は…お菓子を渡さなければ…いけない。お菓子が無いなら…悪戯を受け入れなければ…ならない。』
「……で?」
『僕は今…兵長に…呪文を唱えました…お菓子は…無いのですね…?』
「あるわけねぇだろ」
「でしたら…いたずら、ですね」
妖艶な笑みを浮かべるなまえに周りの人間はドキッとする
どうやら悪戯が目的のようだ
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