短編物語
□歌姫の祝い唄(後編)
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ギルに頼まれた歌を歌う
ライラがギルの隣で号泣する姿が見える。会場に来た人間にもチラホラ泣いてる人が見える
その姿を見てなまえは自分の歌声で笑ったり泣いたりしてくれる人が居る。それが嬉しかった
『(もう二度と、見れないかもしれないから…)』
この光景を胸に刻もう
次の曲はライラとギルが出会った歌を歌うことにした。
泣いていたライラがやったー!と言わんばかりにきゃーきゃー騒いでいるのがわかる。
その姿をギルは笑顔で見守っている。
チラリとリヴァイを見た
リヴァイはなまえでなく会場を見ている。リヴァイの目線の先はわかっている。あの男だ。
行動を移さないかと警戒しているようだ。
『(ちょっとくらいこっち、見て欲しい…なんて考えちゃダメだよね…)』
自分のためにしてくれている行動なのだから文句は言えない。だが少し不満だ
なまえの心の中で拗ねている。
『(これって、やっぱり好きってことなのかな?)』
生まれたこのかた恋をしたことがないせいか、イマイチ今の自分の気持ちが理解出来ない。
だが、きっとこれが恋なのだろう
そう思った
『(今日死ぬかもしれないのに、恋するなんて、馬鹿だなぁ、自分)』
そんなことを思いながら歌う
歌も歌い終わり、ペコリとお辞儀した。みんなから暖かい拍手がこころに染みる。嬉しくて泣きそうだ。
鳴り止まない拍手の中、なまえは舞台袖に居るリヴァイの元へ歩いて行った
リヴァイがよくやったと頭を撫でてくれた。
あぁ、あたしはこの人が好きだ
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