短編物語

□歌姫の祝い唄(後編)
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式も無事に終わった
新郎新婦が嬉しそうに、幸せいっぱいの笑顔で会場から出て行く

なまえは緊張していたせいか一気に力が緩む
緩みすぎてへにゃりと膝から崩れ落ちそうになる


「おい、大丈夫か」


間一髪でリヴァイがなまえの腕をグイッとあげてくれた
嬉しい反面触れられたことで顔が赤くなるのがわかる


『へ、平気です!すみませんっ』

「そうか」

ドキドキと胸が高鳴る
好きなんだと自覚するとより一層かっこよく見えてしまう
心配するような顔でなまえを見るリヴァイと目が合う
なまえの顔が赤くなっていくのがわかる
リヴァイから見てもわかるほどに、リヴァイが驚いた顔をしてなまえの頬に触れる

「おい、大丈夫か?顔が赤いぞ」

『〜〜〜〜ッッ!!大丈夫ですっ!!』

思わずグイッとリヴァイの胸を押しのける
その行動にリヴァイは疑問符が浮かぶと同時にイラッとした。
拒絶されたように感じたのだ

リヴァイは押しのけた状態のなまえの腕を掴みグイッと自分の方に引き寄せた

『きゃっ!』

「離れようとしてんじゃねぇよ」

『っ!ご、ごめんなさっ』

「………かわいいな」

『なっ!!なにをををゆゆってるるるるんですか!?』

「すまん、つい本音がな」

『もう!また冗談ですか!』

「いや、これは」


冗談じゃねぇ、そう伝えようとした。その瞬間





「ねぇ…なんで?」


憎悪に塗れた低い男の声と同時に
複数の悲鳴が終わったパーティ会場に響いた。






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