短編

□嫉妬
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5巻ででた旧調査兵団本部にて





sideエレン


「…はぁ、やっと終わった」

リヴァイ班の一日はまず、施設の掃除から始まる。
潔癖症と言っても、あまりにも細かすぎる兵長の許可をもらうのは、大変なのだが今日は珍しく早く終わった。

「今日はたしか…」

訓練はないし、ハンジさんの実験も無かった筈だ。
兵長も今日は報告書を片付けると言ってたから、出掛けることはないから…

「とりあえず、何もないからゆっくり出来るな」

今日の予定を思い出していると

「エレンー!!」

「うわ、…ペトラさん!?」

背中を叩かれて急いで振り返るといたのは、同じリヴァイ班の唯一の女性である、ペトラさんだった。

「どうしたんですか、急に?」

「いいから早く手出して」

「だから、何で」

「いいからいいから」

答えてくれないペトラさんに疑問を感じつつ手を出すと

カサッ

「え……クッキーですか?」

「うん。さっき町に行ってきたんだけど、お土産にどうかなって買って来たの」

嫌いだった?と聞くペトラさんに嫌いじゃないです。むしろ…

「大好物です!」

「そっか、良かった」

笑顔で答えると、ほっとしたように笑った。

「でも、急にどうしたんですか?俺何もやってないですけど…」

「リヴァイ兵長とお茶飲んできて欲しいの。…最近仕事が忙しいらしくて、言っても休んでくれなくて…

けど、エレンが言ったら休んでくれると思ったの。









…それに最近二人っきりになれてないでしょ」

「な、何で知って…!?」

言われた言葉に思わず狼狽えていると、ペトラさんは微笑ましいものを見る顔になっていて

「ふふ…

それと、お茶終わったらリヴァイ兵長にこの手紙渡して。


じゃあ、楽しんできてねエレン!」

彼女が去っていくまで顔をあげられなかった。

「……








………別に言われたからいくんじゃないんだ、ちょっと兵長に用事があるだけで」

暫くしてから手に持ったままの手紙をしまい、呟きながらゆっくりと歩き出した。












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