MARC

□03,A Girl Wars
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‐アッパーイーストサイドって、見た目どおり、優雅でお上品だって思われてるでしょ。
でも、小さな鍵1つでワイルドな世界への扉が開けられるんだよね。

コンスタンス・ビラードとセント・ジュードのエース級のお坊ちゃまとお譲さまが、夜の学園に小さな鍵を使って忍び込んでプール・パーティーを開いちゃうみたいだよ。

xoxo,gossip girl-


セリーナとブレアに誘われリエナは高校のプールに忍び込んだ。

「忍び込むって言葉好きなんだよね」

爽やかなターコイズのカラーのビキニをチラつかせながらリエナは笑う。

「こうやって3人で会うの久々だよね」

セリーナは相変わらずセクシーなワンピースの水着を身に纏いながらプールに入った。

「それで、アンタは落ち着いた?」

そんな中、上品な水着を纏うブレアはリエナを見つめては尋ねる。

「うん。マークが付きっきりだから落ち込む隙がないし、ちょっとウザいくらいだけど」

リエナの答えを聞いて2人は笑った。

静かだけどどこか落ち着いた友情に皆がほっこりとしていた。


しかし…


気が付けば、3人だけだったプールは学生たちのたまり場となっていた。


「賑やかだね」

ゴシップガールの記事を見たのかマークやアイザックもプールに姿を現した。

「それで?皆で何してたの?」

マークに尋ねられブレアは不服そうにしていた。

「アンタ達を呼んだ覚えないんだけど」

「いいじゃん!プールは皆のものだし」

ニッコリと笑うマークはリエナの姿を見つけしっぽを振りながら後を追い掛けに行った。

その光景を見てアイザックはため息を吐く。

「ったく。どいつもこいつも」

呆れたアイザックの隣りに気が付けばチャックが立っていた。そんな様子にブレアは眉を顰める。

「本当目障りだよな。目の前でイチャつくガキを見るのは」

チャックはそう告げながらブレアに告げるように目を向けていた。

「変な事、企むのはやめてよね」

ブレアはそれだけを告げると2人の前から姿を消した。

その様子をチャックは不気味な笑みを浮かべながらそっとケータイを握る。

「何するんだ?」

そんなチャックにアイザックは首を傾げながらチャックのケータイを覗き込むと目を丸くさせた。

「ちょっとこの場を盛り上げてやろうか」

その言葉を聞いてアイザックも不敵な笑みを浮かべた。











「何でここにあの子がいるわけ!?」

怒った様子でブレアはプール会場に着いた私を睨み付けながらネイトに告げる。

「皆が来てるパーティだ。誰が来てもおかしくないだろ」

ネイトは微笑みながらブレアの首筋に口付けしながら答えるとブレアは肩を竦めてネイトに寄り掛かった。



「ねぇ、言われた通り持って来たよ」

そんな中私はチャックに頼まれたビデオカメラを手渡す。

「やはり日本製がよく撮れるものだよな」

そう言いながらチャックはカメラを受け取り私のカメラで遠くにいるマークとリエナを撮りはじめた。

「ちょっと!何してるの!」

そんなチャックに私はカメラを奪い返そうとしたが、やはり男の人の力には逆らえない。

取れずにいたカメラは未だに2人を撮り続けているチャックを叩いていると誰もが私達に目を向けていた。

そしてマークもリエナもこちらに目を向けていたのだった。

「ねぇ何でマリアがここにいるわけ?」

するとリエナは眉を顰めながらマークに尋ねる。

「さぁ?ゴシップガールを見て来たんじゃないかな?」

肩を竦めながら答えるマークにリエナは呆れたようにため息を吐くと、マークを置いて歩き出した。

「何しにここに?」

笑みを浮かべながらリエナは私に尋ねるとチャックは別の笑みを浮かべてビデオを回した。

「チャックにこれ持ってきてって頼まれたの」

そう答えながらチャックの持つカメラを指さすとリエナは怪訝そうに首を傾げる。

「頼まれて?」

「ねぇ、どうしてそういう態度をとるわけ?」

「どういう事?」

「そういう事だよ!友達だと思ってたのに仲間外れなんかして皆で楽しんでるなんて」

今まで無視されてきた怒りがふつふつと湧きあがって来て思わず目頭が熱くなる。

するとそんな私を見てリエナは驚いていた。そして

「ごめん…。そんなつもりはなかったのに」

「……」

急に謝り出すリエナに私は思わずキョトンとしてしまった。

「アンタがマークを好きだったの知ってたのに」

「それでもマークはリエナを選んだんだもん…。私2人とも好きだし何よりも大事な友だちだから、いいの」

やっと言いたかった言葉を言うと思わず涙が溢れた。そんな私を見てリエナは微笑んだ。

「本当は父が死んだとき、アンタに来て欲しくて。寂しかったんだ」

「何を言ったらいいか…、私も傍に居たかったよ」

仲直りをする私達を見てチャックは舌打ちする。

「興ざめだな。女の修羅場ってこんなもんかよ」

苛立ちを露わにしながらチャックはカメラを私に返し、別の場所へ移動しようとすると何かを見つけ笑みを浮かべた。

「仲良くやってるところ悪ぃが、あれを見てみろよ」

チャックの言葉につられ私たちは目線を向けるとそこにはマークと仲良く話すヴァネッサの姿を見つけた。

「ブルックリンのお仲間が到着となれば何か起きるな」
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