MARC

□04,バースデー・イットガール
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-1年に1度は訪れる幸せな瞬間。

いっぱいあるよね。

その中でも自分が主役になれるイベントって…、そう誕生日。

今年もやってきたよRのバースデーが。今年こそはきちんとした誕生日を送って欲しいとGGでさえ思っちゃうな。-



ゴシップガールの記事を見て私は首を傾げた。

「ねぇ、今年こそはってどういう意味?」

コンスタンスの中庭で私はマークに尋ねた。

するとマークは苦笑いを浮かべて頭を掻く。

「去年はブレアと大喧嘩して大体は予想が付くと思うけど」

「ブレアに台無しにされたんだね」

「私が何よ」

すると気が付いたらブレアが私達の後ろで不服そうに立っていた。

「それより今年こそはリエナのバースデーパーティを開こうと思うの。まぁ去年のこともあるからね」

口をへの字に曲げながらブレアは告げる。

「ブレアが主催なら今年こそは上手くいくだろうね」

マークは嬉しそうに告げるとブレアは咳払いする。

「当たり前な事言わないでくれる?それよりアンタ達の協力が必要なの」とブレアの言葉に私達は顔を見合わせた。








その頃リエナは目の前にいる5人の兄妹たちを見渡しながら目の前のブランチに手を付けた。

「右から順に、フィリップ、イアン、デビー、カールそしてリアム」

まだオムツを履いているリアムにリエナは思わず目をパチくりさせた。

「1人だけ人種が違うような」

そして明らかに黒人に血が混ざっているかのようなリアムにリエナは指をさすと1番上のフィリップは笑みを浮かべた。

『ウチじゃそんな些細な質問は誰もしない』

「ああ…オッケー。もう触れない」

お手上げだとリエナは両手を挙げた。

「それより今日から家族として生活するんだから仲良くしてよね」

母親に兄妹たちは頷いた。

「それであなたたちのお父さんは?」と母親は尋ねると次男のイアンは苦笑いを浮かべる。

「いつものバーで飲んでいるかと」

その言葉に母親は目を細めた。


するとリエナのケータイが震え、天の助けだとリエナは急いで電話に出る。

「はい」

『おはよう♪』

ご機嫌なマークの声にリエナは微笑みながら自室へと向かった。

『今どこにいる?』

「新しい家族とブランチ中…」

『そうだった!悪い時に電話しちゃったね』

慌てるマークにリエナは彼以上に慌てた。

「そんな事ない!電話助かったよ」

はぁ、とため息を吐く彼女にマークは不思議そうだった。

『ブランチ会は失敗…?』

「兄妹が一気に5人も増えたから取り敢えず顔と名前を覚えることで精いっぱい」

『そりゃ凄い!あはは』

電話からマークの笑い声が聞こえてくるとリエナは目を細めた。

「笑い事じゃないんだけど」

『ごめん。それより今抜け出せたりする?』

「何言ってんの?今新しい家族とブランチ中だよ?抜け出せるに決まってるじゃん」

『だよね。俺ん家で社交界のビデオ観ない?』

「ってことは作り終わったんだ!」

マークの言葉にリエナは心が弾む。

『じゃあ美味しい紅茶を淹れて待ってるね』

電話を切るとリエナは急いでコートを羽織り、玄関へと向かった。

「あら、リエナどこ行くの?」

驚く母親は玄関まで駆ける。

「マークの家行ってくるよ!」

「ちょっと、私1人にしないで」

声を抑えて母親はSOSを出すもリエナは小悪魔な笑みを浮かべる。

「大丈夫。上手くやれてるって」

そう言い残しリエナは家を出て行った。
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