FAIRY TAIL
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「ひいいいっ!!!!」
笑い声にあふれるギルドから、突然悲鳴があがる。
「うひゃひゃひゃっ!!!「ひいい」だってよ! なーにビビってんだよ!」
「もォ!!! おどかさないでよォ!!!」
どうやらナツがルーシィを脅かしていたようで。仲良いな、あの二人。
「ビビリルーシィ、略してビリィーだね」
「変な略称つけんなっ!!!」
『ビリィー?』
「だからっ…キィナ!!?」
驚いてこちらを向いたルーシィに続いてみんながこちらを振り返った。うるさかったギルドが一瞬にして静まり返る。
あまりこういう形で人に注目されるのは慣れていないものだから、目線のやり場に困ってしまった。
『た、ただいま…?』
ガタン、と誰かが立ち上がるのを皮切りに、わらわらと周りに人が集まってくる。
「大丈夫なのかっ!?」
「怪我とかしてないか?」
『へい、き…』
ばたんと腰の方から音がする。遅れてやってきたのは全身に響く痛み。
両肩をがっしり捕まれて盛大に揺られたせいで、私はその場に倒れてしまったらしい。…起き上がれない。
「おいっ!!! キィナが倒れたぞっ!!!」
「バカやろう!! てめェが揺さぶりすぎなんだよっ!!!」
「あー、今日こそは聞きたかったのに…」
「誰かさんのせいで台無しじゃねえか」
「ンだとォ!!!」
大乱闘への足がかりを遠くの方で聞きながら、帰って早々に、辛うじて保っていた意識を手放した。