FAIRY TAIL
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地下は意外と深く、強まる頭痛によろけながら最深部にたどり着いた私の目に映ったのは、水に浸かった地面と、ナツ、グレイ、地面に這っている知らない人(恐らくあれが「リオン」)。そして――雄叫びをあげるデリオラ。
デリオラの姿を捉えたとたん、激しい目眩にみまわれ、頭の中にかすれた映像が流れ込む。
――あなたは私が、命に変えても…
ガッと左足を前に出して倒れないように体を支える。
今のは、何だ…?
頭痛はいつの間にか消えていた。
はっと現実に意識が戻ると、遺跡の傾きが戻る前に感じた魔力を再び感じる。見ると、グレイの周りに強大な魔力が集まっている。
何かはわからないけれど、あれが成されれば、大切な何かを失ってしまうような気がした。
完成させては、いけない。
彼の名を、精一杯叫んだ。
『グレイ――ッ』
「キィナ…!?」
その瞬間。
デリオラの動きが止まった。
ゴボッと振り上げた右手が崩れ、それを合図にデリオラは跡形もなく砕け散った。
「そんなまさか…デリオラは…すでに死んで…」
リオンの声が周囲に響く。
「10年間…ウルの氷の中で命を徐々に奪われ…オレたちは……その最後の瞬間を見ているというのか…」
水の中で立ち尽くしたグレイの背中は、少し震えているように見えた。