FAIRY TAIL

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『何というか…呆気ない…』

 前日夜にルーシィからロキの無事の報告を受けて安堵し、今朝仕事に出る途中にその二人に出会って数時間。今回の依頼はトリ型の未確認生物の捕獲だったのだが、案外早く終わった。
 未確認とか言うからどんなものかと思えば、ニワトリを巨大化して青くしただけ。こいつ、前にナツが上に乗って酔っていなかったか、そもそも似顔絵がある時点で未確認とは言えないのでは。
 依頼主にそいつをおしつけて、早々に帰ろうとした時、急に後ろから声をかけられた。

「みゃあ。かわいいネコネコ知りませんか〜?」
『!!!! …え? ね、ネコネコ…?』

 驚いて咄嗟に距離をとったが、聞かれた内容が内容で、思わず緊張を緩めてしまう。その瞬間、辺りが一瞬にして暗闇に包まれた。

「間違えた〜!! キィナ・トラキオンって人、知りませんか〜なーんてっ!! ネ拘束チューブ!!!」

 声とともに私に絡みつくロープ。ギチギチと体を締め上げていく。反動をつけなければさほど強くはない私の力じゃ、この状況をどうすることもできない。まずい、完全にしてやられた!!

『貴様…どこで私の情報を手に入れた…』
「オレたちが手に入れた訳じゃねえヨ。ここに来るアンタを連れてこいってジェラールからの要望だゼ」

 最初の女の子とは違う声が答え、右肩に微かに痛みが走る。ジェラールって、誰だ…
 ぼんやりと明るくなっていく辺りとは反対に、私の視界は暗転した。









 
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