FAIRY TAIL

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――あー!! おーじ、ひさしぶりだな!!!

――こら、キィナ!!! 王子には敬語を使いなさいと…申し訳ありません王子、今日はどうされたのですか?

――いや、私は敬語でなくても構わないよ。それで…






 それが確か7年前。あれ以来王子の姿は見ていない。両親は半年後、どうしてかひどい拷問を受けたあげく処刑された。今思えば王子はアースランドに行ってしまったのだろう。それに荷担したことが国にバレたから、両親は処刑されたのだろう。
 辛うじて家業は教わっていたためその時にエリュシオス家が途絶えることはなかった、とはいえ、何も知らず幼かった私はそれ以来心を閉ざし、必要以上に人と関わることも無くなった。女王様も心配してくださったけれど、そもそもただのエクシードである彼女が別段何か出来るわけでもなく、私はただ仕事をこなすだけの人形と化していた…3年前、彼に会うまでは。

 夜中なので静かに戸を開き、外に出て、同じ高さに浮かぶ巨大な魔水晶を見つめる。私にとって、この魔水晶は吉か凶か。考えても答えが出ることはなく、星々は幻想的に魔水晶を照らしていた。









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