FAIRY TAIL
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突然ガタガタと揺れ始め、突然動きが止まった建物。誰もがしばらく黙っていたが、誰かが窓の外を見て、その緩んだ頬を抑えられない表情を見た瞬間、一斉に歓声が上がった。
「大成功だー!!!!」
「軍のヤツらが根っこにやられてる!!!!」
どうやら戦地にたどり着いたらしい。扉に押しかけるメンバーを傍目に、ふうとため息をついてよろよろと立ち上がり…きれずにふらりとよろけた。
「っと、危ね……なんて無茶しやがる、バカヤロウ」
床に衝突する前に抱えこまれ、降ってくる声でエドグレイが支えてくれたのだと理解した。
『でも、私は生きてるだろ?』
「ああ、本当によかった……」
『というか、せっかく着いたんだから、政府に対するこれまでの鬱憤を晴らしにひと暴れしてきたらどうだ? 私は思ったより平気だ』
強がりとかではなく、本当に思ったより体はなんともない。ぐいと押しやり、そのまま背中を押して外へ出た。王国軍の所々に、嗅ぎ慣れたにおい。
「行くぞォオー!!!」
「オレたちだっていつまでも逃げてばかりじゃない!!!!」
「仲間との絆の力、見せてやろーぜ!!!!」
待ってて、今助けるから。
みんなの後に続いて一歩踏み出そうとした。けれどその刹那、後ろの森からいくつもの足音が聞こえた。