FAIRY TAIL

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 ドロマ・アニムをアースランドのナツさんたち滅竜魔導士に任せ、ココさんのレギオンは逃げていったエクシードたちを追っていた。けれどそこに待っていたのは、エルザ・ナイトウォーカー。下からの不意打ちにレギオンは成すすべもなく落下していく。ウィステリアは私を、ハッピーはルーシィさんを(なぜか重たそうにしている)、そしてシャルルはグレイさんとココさんを。エルザさんは単身、王国軍に乗りこんだらしい。
 二人も抱えるシャルルを助けようとウィステリアが寄っていったその時、岩陰に小さな動くものがいくつか見えた。

「ウィステリア!!! シャルルには申し訳ないけど、あの岩陰に降りてくれないか!?」
「もしかしてあれは、女王様!? 了解、行くよ!!!」

 ギュルンと急降下したそこには、女王シャゴットと、親とはぐれた小さな子どもたち。

「女王、無事だったのですね!!!」
「ええ、でもまだあそこに逃げ遅れた者たちが……」

 ちらりと視線を送った先の森には、軍の人間が走り回っていた。きっと翼を怪我して飛べなくなったエクシードが逃げ込んだのだろう。

「わかりました。私が行ってきます」
「キィナ…?」
「ウィステリアはここで運ばれてくるケガ人の看病、それと女王と子どもたちを守ってあげて。私は大丈夫、逃げ足早いし、これでも結構タフだから」

 不安げな表情のウィステリアによろしくね、と笑いかける。彼女を置いていくのは、魔水晶に変えられるのを防ぐため。大切なものを、これ以上失いたくなかったから。
 立ち上がり、森へと急ぐ。魔水晶に変えられそうになったエクシードがいれば、私が盾になればいい。魔力を持たない私が魔水晶に変わるはずがないのだから。

 軍に見つかったのは、二、三往復し、またエクシードを見つけ隠れ場所に戻る途中だった。何とか巻けないかと走り回ったけれど、運悪く軍の小隊が待機する拓けたところにたどり着き、囲まれてしまった。ジリジリと詰め寄る軍からエクシードを守るため、顔だけ上げてエクシードに覆いかぶさった。

「そのエクシードをこちらに渡せ!!!」
「誰がそんなことをするものか!!! 彼らはあなたたちの道具ではない、ともに助け合い生きるべき存在だ!!!!」
「黙れ!!!!」

 向けられる魔弾銃。エクシードにではなく、私に向けた、命を奪う魔法道具。だけど、たとえ命がなくなったって、このエクシードは守る。魔水晶になんてさせない。痛みを覚悟し、エクシードを抱く腕に力をこめた。





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