ハートの志(ONE PIECE長編、完結)
□三 海楼石の島国
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北の海を航海中なローとベポ。
雪も降らず快晴の中、順調に船は進んでおり。その島は近くへと迫っていた。
「海楼石の島? なにそれ」
ローとベポは船の部屋で、積んでいたお握りを食べながら一枚の紙を見ていた。
「海楼石って言うのは能力者に能力を使わせないようにするやつだ」
島の地形が書いてある紙から目を離さず言う。
「あー、キャプテン弱っちゃうやつ?」
「あぁ」
それがあの島だ、と目の前の島を指差して言うとベポは窓の方に寄り見ていた。
ベポは一応、航海士としてるがまだ覚えたて。地図を見たり書いたりするのはまだ無理なようだ。
だが基本的なことは覚えたようで、波をみたり天気予測をしたりは出来るので、あとは測量だけだ。
ローも基本的な航海術はあるため遭難はせずに済んでいた。
今着いたこの島は北の海では大きめの島であり、海楼石が特産らしい。
よくこの島は海軍御用達の島らしく、今ロー達が停泊している反対の所には海軍基地があるとされている。
まだこの船は海賊として旗を掲げていない為海賊船とは分からない筈。という事で基地から反対と言っても町の近くに停泊している。
外の様子を見てきたベポはローの前に戻ってきて椅子に座る。
耳がピクピクと動くところを見ると、早く上陸したいみたいだ。
「キャプテン、熊いるかな?」
「…まぁ、この島は居ないだろうな」
雌グマでも探す気で居たのだろうか、と内心思いながらもベポの様子を見ればただの話題作りみたいだったらしくすぐベポもローが見ていた紙を見ていた。
この島は四つに別れているみたいで、全ての島に歩いて行ける様になっているみたいだ。
中でもローとベポが降りた場所はどうも貧困の差があるみたいだ。
道を歩いていれば住む家が無いのか路上で寝ている人や残飯を漁る者もいた。
また少し歩けばこちらの方は豊からしい。
宝石店やレストランなどが建ち並び賑わいを見せていた。
「ねぇねぇ、海楼石って以外と高いんだね」
ガラスのショーウィンドゥに顔を着けるベポ。
店側の人は何やら驚いているようだがベポは気にしないらしい。
ベポに続きローもそれを見てみるとゼロが何個かあって、ロー自身も驚いた。
凄い凄い、とはしゃぐベポを他所に、ローは一人踵を返し路地裏に歩いて行った。