ハートの志(ONE PIECE長編、完結)

□四 始まりのローグタウン
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海楼石の島を出たロー達は、穏やかな気候の中船を進めていた。

船、と言うより潜水艦なこの船の両端にローが思い描いたジョリーロジャーを描いた。
船に描いたのはシャチであるが。


意外にも絵心があったシャチは船員兼船の整備を任せた。
元々技術系の工場に居たからできる筈だ、と言えば喜んで!とそれを引き受けた。

ペンギンは逆に整備とかいったものが苦手らしく、自身は料理が得意だと言うものだからコックになった。



二人はそれなりに戦闘能力があった。
シャチは真っ直ぐ過ぎる馬鹿だが、遠距離攻撃が得意みたいで銃を扱うらしい。


ペンギンは逆に己の体が武器みたいらしく、体術を主に使う。ベポと同等かそれ以上の力を持っていた。



「ねぇー、俺なんて呼べばいいっすか?船長、キャプテン?」

船の甲板で丸くなり話し合っている最中、シャチが手を上げた。


「……前通りで良いんじゃねぇか?」

呼び方なんて気にしないローは胡座をかきながらもベポに寄り掛かっていた。


「え、ローさんって?」

「あぁ」


欠伸が出そうなくらいの天気の下、シャチは真剣に考えている。
ペンギンがすでに船長と呼んでるからだろうか。いい考えを出そうと必死に首を傾げていた。



「分かった、ローさんで!」

「今更改める事ぁねぇだろうが」


ローが寄り掛かるベポは安眠中。ペンギンはその光景を黙って見ていた。
そのベポを起こさないようそっと立ち上がるとそのまま部屋へと向かって行く。


「島が見えたら上陸だ。恐らく次がグランドライン前の最後の島だからな」

後ろから了解、などの声を聞き部屋に入った。



島から出てきた時のままだった荷物を、ローは今更ながら片付ける。
白い麻袋の中には恐らく母が必要だと思って入れたのだろう、服や本やらが入っていた。


(よく分かってんな)

内心そう呟きながら、麻袋はどんどん軽くなっていき。
最後の一個がしたの方にあり、それを腕を伸ばして取り出した。



「あ?カットラス……?」

そこには何故だか小さい刀が。刀ならすでに持っているのに何で入れたのだろうか。そう考えながらも持ち手の方を見てみれば名前が彫られていた。



「ゴール・D・ロジャー??何でこんなもん……」


薄れかけていた字は確かにそう書いてあった。
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