ハートの志(ONE PIECE長編、完結)

□九 文明大国
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リゾート地の島から出ようとするロー達ハートの海賊団。
出港準備が整いつつある船の甲板で、ローは甲板で指示をだしていた。

クルー達は右往左往、忙しそうに動いているそんな中。
同じようにして動くベポはおもむろにローに近づいてきた。

「…どうしたベポ」

「ん?いや、キャプテン何付けてるのかなーて、それ」

「あ?それって…」

ベポは首を傾げながらも手を出して方向を指すのはローのズボンのポケット。
手を後ろに回して見れば、何だか細長い紙切れが入っていた。

紙の真ん中にはでんでん虫の番号なのか、数字が並んでいた。


「……?ビブルカードってやつか」

「び、ビブル…?何それ」

「ビブルカード。新世界にしか無い筈だが……まさか白ひげか?」


ローはその紙を指に挟んで考えている中、横ではベポが飛び跳ねて感激していたのだがローの耳には届かない。

新世界に居るとしたら白ひげの海賊団くらいしかローに知り合いは居ない。居るとしてもあやふやな奴だ。

だとしたら白ひげしか居ない。

(いつ人のポケットに突っ込んだかは分からないが…)


そのビブルカードをまたズボンのポケットに入れればベポに仕事しろと一喝し。
あやふやな気分になりながらもリゾート地から船を出航させた。








リゾート地から出ておよそ一時間。荒れていた海も静かになった
からとローは食堂に来ていた。

落ち着いたクルー達はロー同様に次々と食堂に入ってくる。
ローはお決まりの場所へ腰を下ろせばシャチも休憩なのか、ローの真向かいに座った。

ローはコーヒーを飲みながらもクルーから渡された新聞を読んでいた。最近手配書が増える事もなくなったが、代わりにある一面が表紙を飾っていた。


アラバスタの暴動。

反乱軍が攻撃したとかなんとかと書かれてあり、その記事は記者までのコメント付きだった。


「アラバスタの反乱ねぇ」

新聞を見ながらローは呟いた。
また一口、とコーヒーを飲もうと新聞を横にずらせば。ローの目の前でシャチが何やらソワソワしていた。

「………」

「………」

シャチと目が合うが、直ぐに逸らされた。何か隠しているのか、その挙動不審な行動にローはただシャチを観察する。


「……せ、船長」

「なんだシャチ」

言おうか言わないか迷っているのか。握り拳が机の上にあり、力が入っている。
しかし急かす事なくローはシャチが言うのを待っていた。

言う気になったのか、シャチは大量に息を吸った。…そして吐く。


(緊張しすぎだろ)

急かしたくなる気を抑え、ローはただ待った。


「あの、アラバスタに行きたいって言ったらダメっすか…」

意を決して言ったシャチの言った言葉は。
今騒動の真っ只中にあるという国に行きたいという願いだった。
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