□好きな人は僕らのもの!
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好きな人は僕らのもの!








「俺のっ!!」

「私のっ!!」

「……オイ…」

「「もうー!!分からず屋っ!!!」」

「……はぁ…」


今日も、高杉は溜め息を吐いた。

朝から騒がしい一連に巻き込まれているのは高杉晋助(20)である。そしてその傍らで先程から口喧嘩をしているのが双子の男女の土方十四郎(17)と土方十四乃(17)のである。

高杉と土方双子は向かい同士の家で双子の親が海外出張で家に居ないから高杉家に今は暮らしている。

双子は小さい頃から一緒に遊んでくれる高杉が大好きで高校三年生になった今でも双子同士で先程のように奪い合っている。

それに巻き込まれている高杉は双子のことどちらも大切で暖かい心で好きなようにさせてはいるがこれが毎日な為か、溜め息が増えてきた。

別に双子のどちらかを贔屓している訳ではないし、どちらも大好きなのでケンカをしないで欲しいのが正直の気持ちである。

溜め息を吐いて高杉はかぶりを振った


「お前ら…ケンカをするなら俺ァ先に行くからな」

「あぁっ!!」

「晋助待ってっ!」

どちらが一番好かれているか、って話題から始まったのにいつの間にか高杉が誰のものかって話でケンカをおっ始めた双子をほっといて高杉は歩き出し、双子はそれを慌てて追い掛けると高杉の左右の腕に双子は腕を絡めて頬を膨らませて文句言う。

「晋助っ、先に行って置いてかないで!」

「最近の晋助冷たいぞ!」

「……毎朝毎朝同じことでケンカして繰り返して飽きねェか…?」

高杉が双子を見下ろして呆れながら問い掛けると双子は頬を更に膨らませて抗議した。

「同じことじゃないもんっ」

「俺達には晋助が誰が一番好きか、一大事なんだよっ」

「「晋助は誰が一番好きっ?!」」

「十四郎も十四乃も、どっちとも世界一好きだが?」

双子に見上げられて問い詰められるも高杉は平然と自信満々にキッパリと答える。

それを聞いた途端、双子は頬を染めて高杉の腕に熱くなった顔を押し付けて隠した。


「……俺も、」

「……私も、」



「「好き」」


小さくてハッキリと聞こえなかったが分かっている高杉は笑みを浮かべて微笑ンだ。


「昔から分かってるよ」



end

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