読
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オマケみたいな
二人が手を繋ぎ、XANXUSがスクアーロの腰に腕を回してスクアーロがXANXUSの肩に凭れ掛かって密着する所を見てツナはそっと視線を外してイタズラするランボを追い掛ける獄寺を笑って宥める山本たちに向けた。
テレビで見るラブシーンは1人で観る分にはいいかもしれないけど、家族と一緒に観るとか、ましてや実際に生で見るのは気恥ずかしくて気まずいし、こっちが居たたまれない。
何事もなかったかのように二人から視線を外したツナをリボーンはずっと見ていた。
「悔しいのか」
「へ?何、リボーン」
守護者たちを微笑ましい気持ちで見守っていたらリボーンがツナに問い掛けた。けれどその問い掛けの真意が分からずツナはきょとんと目を丸くさせて首を傾げてリボーンを見下ろした。
おしゃぶりの呪いから解放されたアルコバレーノたちは普通の子供と同じようにこれからすくすく成長するのだが、流石は世界最強の赤ん坊と云われただけのことはあって解放されてからまだ数ヶ月しか経っていないというのに、リボーンの姿は既にフゥ太と同じ10代になっており5才のランボを遥かに越えた成長をみせた。
いつもはツナや山本の肩に乗って移動をしていたのが、今では大きくなって運動部である山本でも流石に肩に乗せることは不可能で移動する時はもう自分の足で歩いている。
異常な程の成長を見せる度に更にランボはリボーンに突っ掛かるがそれはもういつも通り軽くいなされている。
見た目は子供でもツナよりも何倍も先に生きたリボーンは見た目と反して大人のような雰囲気を持ち合わせており、元の大人へと近付いてっていた。
リボーンは自分を見下ろすツナを見上げ、黒い目を細めた。
「スクアーロが・・・、XANXUSに触れるスクアーロが、羨ましいのか」
「?・・・リボーン、何言ってんの?二人はえっと・・・恋人?同士だしオレが羨ましがる訳ないだろ。ただ・・・そうだね、何も言わなくても信頼し合っている二人のことは羨ましいかな・・・」
何て言うのかな、無言の信頼?憧れるよね、とツナはチラッとだけ向こうにいる二人を見やるとまた視線を戻してリボーンを見下ろし、そっと笑った。
その笑顔が寂しそうに見えて、リボーンはツナを真っ直ぐ見つめたまま口を開いた。
「オレはお前を信頼している」
「え、何だよ急に。いつもはそんなこと言わないくせに・・・てか信頼してるとか言うくせにリボーンって秘密とか多いじゃん!」
「なんだ、オレのことが知りたいのか?」
「こんなに一緒にいて、知りたくない方が可笑しいよ」
何当たり前の事を聞いてんの?とツナは訝し気にリボーンを見下ろす。
リボーンはやっと子供らしく、子供というには些か嫌味ったらしい笑みだが、口端を持ち上げた。
「なら聞けばいいじゃねぇか。何も聞かないから何も言わないだけだぞ。知りたいなら、聞け。オレは自分からは語らないぞ」
「もう・・・リボーンはいつもそうなんだから・・・」
ツナは仕方なさそうに苦笑すると、そっとリボーンの頭を撫でた。
赤ん坊の頃は職業柄癖で反射的に手が出るので触れることはなかったが、最近はこうやって撫でさせてくれる時があって立てているのに案外柔らかい黒髪を撫でるのも、ツナの一つの楽しみでもあった。
「・・・そろそろ、リボーンの背もオレの肩まで届くかな」
「お前なんて直ぐに追い越してやるさ。オレは強くてハンサムな男だからな。惚れるなよ?」
「ふふ、バカ言ってんなよ」
ニヤッと言うリボーンが冗談と受け取って笑うツナを本気で落とそうとしていることを、ツナは知らない。
そうやって年下扱いして笑ってられるのも今の内さ、と内心でリボーンは黒く細く笑んでいたのを、誰も気付くことはなかったーーーー・・・。
今度こそend