ぴんきーれいやー

□第3Q
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唯と私はものすごいスピードで仲良くなった。一般的な仲良しのイメージはきゃいきゃいしているイメージだろうけど、私たちは違う。

唯は基本無口だ。そして私もそんなにしゃべるタイプではない。だからしゃべっている時と、黙っている時、どっちが多いかといったら、どちらかといえば黙っている方が多い。
だけどそこに気まずさはなくて、むしろ和やかなムードだ。唯といると本当に落ち着く。

今は何をしているかというと日なたぼっこ中。のんびりとした時間を過ごしている。まぁいつもこんな雰囲気だ。




話が変わるがもう仮入部期間が残すところあと1日。今日の放課後が最後で、明日の朝担任に入部届を提出する。
ほかの子は決めたよーなんて会話がぽつぽつと耳に入る中、私はというとまだ決めていない。

ちなみにバスケ部マネになる気はない。
だって双子でバスケ部マネとか絶対なんか事件起きるじゃん。そういうわけで私はバスケ部には入らない。

あ、唯はどうすんだろ。唯と同じ部活に入るのもいいかもしれない。
聞いてみるか。



『唯ー。何部はいるか決めた?』



日なたぼっこのせいか、唯は眠そうな目をしていたが、目をこすりいつもの唯の目に戻ってからこくんと一度だけ首を縦に振った。
驚いた。
正直決まってないと思ってたから。



『何部?』



まっすぐ私に向けていた顔をいきなりそらし、机に向かって小さな声で唯は答えた。



「・・・・バ、バスケ部。。」

『え、?』



嘘でしょ。唯に限って絶対に違うと思ってた。この学校に女子バスケットボール部はない。だから、つまり、そういうことだ。



『マネージャー・・・・?』

「・・・うんっ」



やばい、予想外すぎてなんてかえしたらいいのかわからない。
というか唯・・・



『バスケ部に好きな人でもいるの・・・?』



え、図星ですか。唯は肩をびくっと揺らし、あわてた表情でこちらに顔を向けた。わかりやすすぎ。

私がこう聞いたのは、唯が顔をそらした時に赤く頬を染めているのが見えたから。まさかなと思って聞いたらまさかのまさかだった。

首を横に振ってるけど顔が真っ赤だから説得力がない。
焦ってる唯が可愛くておかしくて、頭を撫でてあげた。だって、かわいいんだからしょうがない。

私がはできるだけ声のボリュームを下げて唯の耳元で問った。



『誰が好きなの?』



わざといたずらっこみたいに笑って見せた。唯はというと赤い顔をさらに赤くして、どうしよう!という顔をしていた。可愛い。
どうせ内緒とか本当にいないのとか言われるんだろうなー。
まぁいつか言ってくれるのを待とう。しつこくして嫌われるのなんてごめんだ。

そう考えている私に対し、唯はというとなぜか周りをキョロキョロと見回している。
どうしたんだ。

唯は私の耳元に顔を近づけた。



「絶対に内緒だよっ。やよいだからいうんだからねっ。
私が好きなのは・・・・」



それを聞いて言葉が出なくなった。強者がここにいました。ちなみにその人とは出身小学校は同じで、小3くらいからずっと好きらしい。なんて一途なんだ。
何か返そうとおもって息を吸おうとしたとき、タイミングが良いのか悪いのか、授業開始のチャイムが鳴った。ど、どうしよう。



「内緒ねっ!」



唯は唇に右手の人差し指をあてて可愛く念押ししてきた。言いません。口が裂けても。墓場まで持っていきますとも。

6限が終了し、唯は“また明日”と言って教室を出て行った。荷物からして、きっとバスケ部に行くんだろう。唯の後姿を見て、あの告白が頭の中に響いた。



---「私が好きなのは・・・・赤司君っ」



唯頑張れ。そう小さくぽつりとつぶやいてみた。

さて、私はどうするかなー。

窓の外に広がる深い青色の空を、伸びをしながら見た。空に浮かぶ雲はいつもより白く見えた。





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