ぴんきーれいやー

□第7Q
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体育着だった私は制服に着替え、帰るために校門へ向かった。すると何処からか、さつき姉と大輝が走って来て、目の前で立ち止まることなく、そのままのスピードで抱き付いてきた。
勢いが半端じゃなくて倒れそうになるが、なんとか踏ん張って二人を受け止めた。


二人ともあの出来事が原因で、こうして私を門のところで待っていたんだと思う。聞きたいこと、言いたいことは色々あるんだろうが、何か言ってくることは何もなくて、ただ無言でいた。

それが逆に支えになったし、落ち着いた。



その後はコンビニに連れてこられた。もちろんさつき姉も一緒だ。

正直あのあとだし、今日は奢りの件は無くなるんだろうなーとか思ってた。

冷たい冷気が心地よく肌に当たる冷蔵機能付の商品棚に綺麗に並べてあるスイーツコーナーへ行った。
期間限定のサクラロールケーキと、スイーツ部門不動の一位であるロイヤルチーズケーキで迷ってたけど、大輝はどっちも買ってくれた。

普段の大輝なら早く決めろよなんてイライラして言うんだろうけど、なにも言わずに買ってくれた。
きっと不器用な大輝なりの慰め方なんだと思う。

コンビニの前で邪魔にならないように気を付け、おしゃべりをしながらケーキを食べた。

話しているときも特にあの事に触れてくることも無かった。

きっと二人は私がこの件に関して何か言われるのが嫌だと分かっている。

長い間一緒にいれば、分かりたくなくてもわかってしまうものなんだと思った。


それと、今日は久しぶりにさつき姉と寝た。
さつき姉が一緒に寝ようと、薄ピンクでふわふわの枕を両手で抱えて、私のベッドに潜り込んできた。

断る理由もないし、私たちはそのまま同じ布団を被った。


さつき姉は頭を撫でてくれたり、幼いときに母さんがやってくれた私の背中をトントンと規則正しいリズムでたたいてくれたりして、すぐ眠りに着くことが出来た。


目覚めたときにさつき姉はもういなくて、時計を見るといつもさつき姉が家を出る時間はとっくにすぎていたから、朝練に行ったんだなと思った。


特に何か特別な言葉を掛けられた訳じゃない。寧ろ何もない。
それなのに気持ちは信じられないほど軽く感じた。





ありがとう。



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