ぴんきーれいやー

□第9Q(青峰目線)
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体育館に入ってきた紫原の手にはあのピンク色にラッピングされたお菓子が乗っていた。


それを見たら昨日のことを思い出した。



昨日は家に帰っても誰もいなくて、確かに腹減ってたけど、だからさつきん家行ったらなんか食えんだろと思ったのもあるけど、本当の理由はそれじゃない。



倒れたやよいが気になったから。




あいつの体調が悪いのはすぐに分かった。

途中、乱入して走るのを止めさせようとも考えた。しかし負けず嫌いのやよいのことだ。それをしたらオレがどうなるか分からない。

だからゴールした瞬間保健室に連れていこうと決めた。


ゴールと同時にあいつは倒れた。
そこまで酷いとは思ってなくて正直本当に焦った。

あいつを抱きかかえたとき、本来ならその身体は走っていたから熱いはずなのに、逆にやよいの身体はずっと冷水に浸かっていたかのように冷たかった。
白い肌はさらに白くなり、むしろ青いと感じた。

無理するやつだと、そういう性分だとわかっていた。


でも・・・・・・




(無理しすぎだろ・・・・・・)




なぜかそれに腹が立った。



それと同時にやよいの不調を知っていながらも止めなかった自分に苛立った。


後悔してももう過ぎたことで、このどうにもできない思いに舌打ちして、オレはやよいを横抱きにして走った。

双子だってのにさつきとは違う高身長。でかいはずなのに。

でも小せえって、そんとき思った。


保健室に連れ込んだ後、起きるまで待ってようかと思った。でも起きた後の事を考えてオレはそれをやめた。

やよいのことだ。目覚めて誰かいたら絶対気を使う。大丈夫じゃなくてもそれは言わない。本当はゆっくり休みてぇんだろうなってか、休んでほしかったから、オレはそのまま保健室を出た。


昼休みを挟み、校庭に出ると鬱陶しいほどよく晴れていた。
午後の部開始ギリギリに、やよいは頬をほのかに赤くし、血色はよくなっていた。
それを見て安心して、自然に笑みがこぼれた。


午後はそれなりに自分の体調に気を付けていたようで、倒れることなく無事に体育祭は終了した。


一人で帰らせんのもなんか心配だったけど、ぴんと伸びた背中を見て大丈夫そうだなと思って、その背中を追うのをやめた。


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