ぴんきーれいやー

□第14Q
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これでもかってくらい私たちは海を楽しんでいる。本当に楽しい。

今は砂のお城を作っている。しかもかなりハイクオリティの。


さっきまでは作業をしていたけれど、いったん休憩ということになり緑間は飲み物がなくなったから買いに行くといって、屋台のある人ごみのほうへと姿を消した。

私もなくなりそうだから頼めばよかったなー。



休憩が終わり、作業は再開されたが、いつになっても緑間は帰ってこない。
みどちんはー?と紫原はのんびりとした口調で言い、大輝が“お汁粉でもさがしてんだろ”と返すと、それを聞いていたみんなは“まぁそうだろうな”という少し納得したような表情をし、手を止めていた紫原も“なるほどー”とつぶやいてから再び手を動かし始めた。


緑間はもうお汁粉キャラなのかと私は苦笑いをこぼすが、やっぱりいつまでたっても帰ってこないのはおかしい。

さすがの緑間もどんなにお汁粉が飲みたかったとしても、こんなところに売っている確率はかなり少ないくらいはわかっているはず。
彼の辞書には“妥協”という文字はないのだろうが、それでもないものはないのだからあきらめて違うものを買ってくるはずだ。

ちょっとずれているところはあるけれどそこまで馬鹿じゃないはずだから。


私は近くにいた唯に緑間を探してくると伝えると、彼が言った方向へ小走りで向かった。





探し始めてしばらく、緑間はすぐに見つかった。

だって髪が緑色で高身長な人はそういないから。


しかし少し様子がおかしくて、きょろきょろと周りを見回し、不安そうに歩いている。


ってあれ?
緑間ってコンタクトにしてたっけ…?



あと少しで緑間のところにつくとき、やっとその原因がわかった。


彼の右手には見るも無残に壊れたメガネが握られていたのだ。

なるほど・・・・ね。





『緑間』

「!?」




後ろから声をかけてしまい緑間を驚かせてしまった。前から話しかけるべきだったな。




『私だよ。桃井やよい』




一メートルも離れていないというのにそれでも見えないらしく、緑間と目が合わない。
目つきもめちゃくちゃ悪いし。

どうやら緑間は相当目が悪いらしい。


目が見えなくなったからと言って感情が消えるわけでなく、緑間はなぜここにいるんだという顔をしていたから、帰ってくるのが遅すぎて来たと説明した。


眼鏡が壊れた理由を聞くと、眼鏡に砂が着いていたからそれを取ろうと一度眼鏡を外したときタイミングが良いのか悪いのか、人にぶつかりその衝撃で眼鏡が落ち、誰かに踏まれて壊れた。ということだった。


まぁこの人混みだし・・・・。



そして今に至る。というわけだ。




しかし飲み物を買いに行ったというのにそれらしいものは何も持っていない。
買う前に眼鏡壊れたってことか。

でも緑間大丈夫かな。飲み物なくなったから買いに行くって言ってたから喉乾いてるよね。




『緑間何買おうとしてたの?』

「スポーツドリンクなのだよ。」

『分かった。
 じゃあここで待ってて。動かないでね』




緑間も連れて行こうかと思ったけど、そのお店は意外と近くにあったし、人もいっぱいいたから歩くのが大変だろうと思って待たせることにした。





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『緑間ー!って・・・・』




私は緑間を見るなり、彼をその場で待たせたことを後悔した。




「ねぇ私たちと遊びましょうよ〜」

「お友達も一緒に、ね?」




聞いて分かる通り、緑間は綺麗なお姉さんがたに絡まれていた。
漫画で読んだ時から思ってたけど、眼鏡かけてても綺麗な顔してるけど、眼鏡とると王子オーラでるからね。

それは置いといて。


緑間助けなきゃね。

俗にいう逆ナンというものは初めてなのか、慣れていないのかどうしたら良いのか分からないという顔をしている。

こうなったの完璧私のせいだよね。ごめん緑間。




『ごめんお待たせ。』




私は絡まれている緑間の元へ駆け足で行き、それだけ言って買ったばかりでまだ冷たいペットボトルを持っていないほうの手で緑間の手をつかんで素早くその場から立ち去った。



途中で手を放そうかと思ったけれど、この人混みでちゃんと見えない緑間をなんの補助もなく歩かせるのはかわいそうなので皆のいるところまでその手を引き続けた。


“放せ”とそういわれると思っていたし、まぁ私なんかと手を繋ぐのも嫌だろうし、そういわれたら放そうと思っていた。

けれど緑間は私が考えていることが分かっているのか何も言ってこなかった。


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