幸せのイデア
□感情
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『でもさ、なんでとーちゃんや他の科学者さんたちはユアのことをゴミだとか言うんだろな…』
りくは口をへの字に曲げ首をかしげてる。
それはユアも知りたいことであった。知ったことで何かが変わるわけでも、起きることもないだろうけど、せめて、せめて知りたかった。自分の存在理由を。ここにいる理由を。
『ねぇ』
りくがこっちを見つめている。
『探しに行こうよ。ユアのこと、俺も知りたい。』
そう言うりくの目は8才とは思えないほど深くを見ているように見えた。きっと彼も分かっていたのだろう。知ることで味わうのは決して甘い現実ではないことを。