幸せのイデア

□出逢い、それは偶然で。
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(これが…名前…)

文字を見てなんとなくそんなことを思った。

『俺はりく。8才。俺のとーちゃんがここで仕事してるからよく遊びに来てんだ』

そう言ってりくは笑った。

よろしく─差し出された手に私は戸惑った。
すると、りくが私の手を握ってきた。
(とても温かいな…)
初めてのぬくもりだった。言葉も、何も分からなかったけど、科学者たちとは違う、何かを感じとった。
『笑った』
りくがそう言って笑う。



その瞬間、私の中で何か大きなものが芽生えた気がした。
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