僕は運命に抗う(エース寄りのクラサメ落ち)
□消えゆく者の想い出を
1ページ/4ページ
「イザナはまだか?」
53枚のカードを一気に放ちながら、エースが問う。
敵個人の能力は屑以下だが、何せ数が多い。倒しても倒しても、次々と湧いて出てくる。
53枚のカードが、53人の首を刎ねた。
僕も後れを取らないようにしないと。
蒼い刀身を溶かして柄を仕舞い、魔法攻撃に切り替える。
「ブリザガ!」
刹那、辺り一帯がスケートリンクと化した。
被害を広げる炎を閉じ込めるように、敵もろとも氷漬けにする。
「はぁ、はぁ......彼のことだ。今にやって来るだろう。」
「だと良いけど、もうすぐここも地獄になるぞ!」
数分前に辿り着いたばかりのポイントは、乱戦に巻き込まれ今やめちゃくちゃに破壊されていた。
「そうなる前に、こいつらを片付けよう。――――僕は魔導アーマーをやるから、エースは指揮隊長を追ってくれ!」
「了解。」
二手に分かれ、敵を掃討する。
次々と氷魔法を放ちながら、煙で真っ黒の空を仰いだ。
「イザナ......頼む、生きていてくれ......」
彼は今、何処に居るのだろう。
この魔法が使えないという絶望的な状態で、どう戦っているのだろう。
「待ってて。必ず助けに行くから。」
決意を新たに、コロッサスの装甲を両断した。