夢小説
□一次試験
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目を開けるとそこはあたり一面自然であふれていた。
瑠奈は身体を起こし辺りを見渡す。
「ここは…どこ?」
いつぶつけたのか、瑠奈の後頭部がズキズキ痛む。
その時、足音が聞こえる。
どうやらこっちに向かってきているようだ。
「誰…?」
だんだん姿が見えてくる。
赤い髪、長身で奇抜な服、切れ長の目、顔には不思議なペイント。
「誰なの…?」
瑠奈は怯える。
「おや…君、こんなところで何をしているんだい?」
男は瑠奈に視線をおろす。
「あの…気が付いたらここにいて…あの…」
瑠奈はうつむく。
「ふーん、君、名前は?」
男は瑠奈に手を差し伸べ立たせる。
服についた草を払い落とし瑠奈の顔を見た。
「私は…瑠奈です…」
瑠奈はうつむいたままだ。
「瑠奈ねぇ…、君はこんなところで何をしていたんだい?」
男は瑠奈の手を引いて歩きだした。
「えっと…私は仕事の関係でハンターの資格がいるので試験を受けに行く途中で…何者かに背後から殴られ…そっか…あたし殴られて気を失ってたんだ…」
瑠奈は思い出したかのように言った。
「ふーん…、見たところ瑠奈は念の使い手だねぇ…仕事はなにをしているんだい?」
男は歩幅を瑠奈に合わせ歩きだす。
「私は…」
瑠奈はうつむいた。
「人に言えないような仕事なのかい?」
男は瑠奈を見る。
「私は…殺し屋です、私の家、暗殺家業なんです、今は私1人で暮らしてます…」
瑠奈はうつむきながら歩く。
「へー…、暗殺が仕事ねぇ…、ゾルディックの人間かい?」
男は足を止める。
「いえ…、私は姫宮の人間です、ゾルディック家とは先祖代々からの知り合いで家族での交流が今でも行われてるんです」
瑠奈は男の顔を見た。
まともに見ると男の顔はそこら辺の男より整っていて綺麗な顔つきだった。
「あの…あなたのお名前は…」
瑠奈は男を見上げる。
「おや…僕の名前をしりたいのかい?」
男はニヤリと瑠奈を見る。
「だってあなたも試験を受けに行く途中なんでしょう?お互い名前を知らないと不便なことも出てきそうじゃない」
瑠奈はぴしゃりと男に言った。
「ふーん?僕はヒソカ、奇術師さ」
ヒソカは瑠奈の目の前で挨拶代わりにと手品を見せた。
「奇術師…?」
瑠奈は眉間にしわをよせる。
「そ、奇術師」
ヒソカはにっこりと笑う。
「あ、あそこ」
瑠奈が指を差した先には一軒の家があった。
「おや…ナビゲーターの家に着いたみたいだね」
ヒソカはニヤリと笑う。