book~鬼灯

□しょたずきとか
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「じゃっじゃっじゃーん!見てよコレ」

「何ですか、それ」


極楽満月にて、急遽必要になった薬を待っている間、白澤が用意したお茶を飲む鬼灯に、白澤は話しかける。
白澤が手にしているのは、中に液体が入っている小瓶。
何と言うか。

「ただの水にしか見えません」

そう言うと、白澤は予想通りとでも言いたげに、

「だったら飲んでみる?」

と言った。

「はい、わかりました。…と言って私が飲むと思いますか?」

「思わないね!」

「ならいいです」

そこで話を区切って、お茶を口に運ぶ。
その様子を見て白澤はニヤっとした。

「何です?」

「いや、あのさ、僕が鬼灯にお茶出すの珍しいと思わない?」

「……………まさかっ」

ガクンッ

まるでタイミングを見計らったかのように、鬼灯の身体がイスから落ちる。

熱い。身体が異様に熱い。

「あっ…!」

上を見ると、白澤が楽しそうに笑ってる。

「どお?小さくなった気分は」

「………は?」

立ち上がって手を見ると、明らか子供の手があった。
目線も低い。
それに今の白澤の言葉。

「最悪です………」

鬼灯は見事に子供の姿になっていた。

「いやー!すっごい可愛いよ鬼灯ー!」

「うるさいです。てゆーか服ぶかぶかなんですけど……」

「無問題!用意してあるからさっ!」

「さっ!………じゃありませんよ。元に戻してください。そして死んでください白豚」

「やー、そんな可愛い姿で言われても可愛いだけだよ」

「元に戻ったら覚えておけ」

ゴゴゴゴ、という効果音が合いそうな、文字通り鬼の形相で白澤を睨む。

「このド変態淫乱極楽蜻蛉め刹刹処堕ちろ釜茹での中にぶち込んで脳みそ溶かしてやろーか」

「まぁまぁ、できた薬も桃タローくんに任せたし、事前に大王には休みもらったし」

「なっ……!勝手に」

「とりあえず着替えてさ、楽しもうよ。……ね?」
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