book~鬼灯
□紅く赤く
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殴っても嬲っても何しても、あなたは死ぬことがないのだから平気でしょう？
「あぁ、そうでしょう？白澤さん」
「い、いや待ってよ鬼灯……」
「いい加減待ち切れないんです」
私は会う度にあなたへの想いで、身が裂けそうだと言うのに。
どうしてあなたはフラフラするのですか。
「落ち着いて、鬼灯！話を聞いて！」
「しりませんよ。あなたのその言葉は聞き飽きました」
「好きなのは鬼灯だけだから！」
「て、言えば許されるとでも？」
「っ！別に……そんなことは」
「ますます憤りを感じるだけですけどね」
好きだの何だの、貴方にとっては軽い言葉でしょう？
星の数程の女性に囁いてきたのでしょう？
「すき、その言葉は……嫌いです」
「鬼灯………」
「殺意が沸くんですよ。あなたに笑顔で好きと言われる女性に」
「…………っ」
「しねばいい、そう思ってしまうのです」
地獄の鬼神が何て有様だ。
冷徹だ何だ言われても、所詮は色事に翻弄されている。
惨めになる。
「ごめん、ごめん、鬼灯……」
「たのしいですか？女性との遊びは。私はあなたの気持ちがわからないのです」
「もう、やめるからさ…」
「いっても実行できた試しないですよね」
「今回こそ！」
「ほんと口だけですよね……」
でも私も私だ。いつもこれで許してしまう。
でももういいです。
「どーでもいい。もう終りにします」
「え？」
足がなければ、どこにも行けないでしょう？
＊END＊