夢想曲1

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やだやだと駄々を捏ねる森山さんを主将が腕挫膝固を決める。

すると今度はギブ!!!!と訴えたので主将が解放すると静かに正座をした。正座って。


やだもう主将ったら強引!!!話も聞かず沈めるなんてそこに痺れる憧れるゥ!!!


フウウウウウウウ!!!と一人興奮していたが花宮さんに頭を殴られてハッとする。

わざわざ殴りに来た理由がウザイの一言で済まされるとは思ってませんでしたまる



「ハッ!それで、どのチームがどこを探索するんですか?」


「春日サンのところは人探しだ。また誰かしら連れて来られてるだろうからな。

んで津川のところは書庫に行って窓には近づかずに他に怪しい本がないか調べてくれ。

雨倉のところはもう一つの階段の所に行って部屋全て調べて来い」


「ういーっす」

「双葉ちゃん怪我しないようにね!」

「したら頭飛びそうなんで気をつけます」

「よく分かってんじゃねぇか」



ガシッと私の頭を鷲づかみにした宮地さんに苦笑い。

チーム内に宮地さんがいなくて良かった…火神くんに花宮さん、福井さんの3人がいるってのに。


そして花宮さんが赤司くんと何かを話してから階段の所に案内しろと言ったので部屋を出た。

私たちに続いて他のみんなも部屋から出たけど結構な大人数が探索に行くなぁ。


この大広間がある階を2階とするとまず1階へ降りてから1階を少し歩いて地下へ向かう。


…のだが、これが以外に遠くて移動中はヒマなのでみんなで話す。



「結構遠いんスねー」

「しりとりしましょ!」

「却下」

「それより廊下で拾ったっていうネジは何処に使うんだろうな」

「ビー玉と同じで嵌め込むタイプなのかも分かってないし、そんな仕掛けも見つかってないしなぁ」

「そもそもネジって締めるモンだろ?締めたら意味なくねーか」

「わぁ華麗に却下されて話題変更された!!泣きそう!」

「いや、お前泣く気ねーだろ」

「言うものなんだよ火神くん…」

「早く此処から出てバスケしてーなぁ」

「その時は1on1しよーよ火神っち!」

「お、いいな!」

「くっそ置いてきぼりか」



なんだよう。二組に分かれて話すんじゃないやい。

軽く拗ねながら歩いていると見かねた根武谷さんが私に話を振ってくれた。


お、おぉふ……なんか…なんか…っ兄貴ぃぃぃぃいいいいい!!!!!!!



「なぁ雨倉」

「はい?」

「ネジって何処にあったんだ?」

「白い部屋から歩いて少ししてからです!」

「じゃあその辺でネジ嵌め込む所とかなかったのか?」

「残念ながら…それに、ちょっと小さめなんですよね」

「まぁ意味もなく浮いてるワケねぇしな…」

「最初のほうに花宮さんに何か書いてないかとか聞かれましたが何もないですし」



根武谷さんはそうか、と言って頭をわっしわっしと撫でてきた。

本当に兄貴と呼びたくなったのは初めてだけどポジション的には春日先輩と被っちゃってるからなぁ…。


そして白い部屋の所に差し掛かったので此処が白い部屋です。

と言おうとしたが、シュインッと開いて、中に化け物が居たので固まった。


なぜ…部屋の中にいるんだ?あれか、部屋の前通ってたら開いたから入ってみた的な。


だとしても化け物に変わりは無いので相手がハッとした瞬間に燕返しを決め、化け物を消した。



「先手必勝ってね」

「照れながら言うなバァカ」

「もう何もいないか…?」

「火神くんなんでそんな縮こまってんの。怖いの無理なの?」

「むっむむむむ無理じゃねーし!!!」

「これから化け物の巣窟かもしれないところに行くんだよ?」

「ぎゃあああああああっ!!脅かすんじゃねぇぇえええ!!!」

「あっはっは!平気平気!手が回るうちは守ってあげるからさ!」

「うわ雨倉さん男前!!!」

「いや、そうじゃねーだろ」

「守られてるってところに突っ込めよ」



ビビリまくる火神くんをいじって遊んでいると福井さんにやめろと言われたのでやめた。

冷静に突っ込みを入れる花宮さんと根武谷さんにてへぺろ!と言うと花宮さんに殴られた。解せぬ。


白い部屋の中を見渡して何もいないことを確認してから先頭に行って案内を続ける。


すると、福井さんから思わぬ一言。



「…なぁ、雨倉の動きを黄瀬がコピーすりゃ戦力上がるんじゃねぇの?」

「「え?」」

「あ、そっか。黄瀬くん模倣得意だもんね」

「うーん…でもあんなゆ…ゆ、ゆう…?」

「………勇敢?」

「それっス!あんな勇敢に化け物に技を決めれるかどうか…」

「かっこいいでしょ」

「そういうことじゃねぇだろ。まぁ…赤司なら言うだろうけどな」

「そうっスよねぇー……」

「大丈夫だよ。私の場合反射でやってる部分あるし最初は怖いかも知んないけどフォローするし」

「「…?…雨倉怖がってたか…?」」

「本当失礼だな。驚くことくらいしますよそりゃ」



一瞬敬語がなくなってしまったけど仕方なくない!?酷いよあの二人!!

それでも最初に倒したのは春日先輩の姿をしてたしその次も主将の姿だったしで…。

うん、一応びっくりはしてたんだよ?なんじゃこりゃあああみたいに。早く視界から消したかったんですまる


黄瀬くんにフォローする、と言うと安心したのか頑張るっス!と言ったので戦力アップに努めよう。


…じゃないね!それもあるけど地下の探索が一番の目的でしたね!ワスレテナンカイマセンヨ。

でも黄瀬くんが戦力に携わったら誰かしらに褒めてもらえるかなぁと少し、いや大分期待しておこう。
 
 
 

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