夢想曲1

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主将の怪我がものすごく心配だけど、後でと言われたので従う他ない。くそう。


まずは自己紹介からしようということになってソファを見る。

ああ、うん。もう分かってたけどさ。赤司くんの隣なんて分かりきってることだけど。


いや、まぁ今回の探索で見つけた紙切れ見せなきゃいけないからいいんだけど。


心の中で言い訳をしていると既にいる人の自己紹介は終わったようだ。

ちなみにですけども。自己紹介するのは全員が全員を知ってるわけじゃないからなんだよね。

対戦した相手がいれば知らない相手もいるし。あと軽い確認的な。よくわからんな!!!人間だからだよ!



「霧崎第一の山崎弘。2年だ」

「同じく2年の古橋康次郎」

「秀徳1年の高尾和成でっす!」

「陽泉3年の岡村健一じゃ。よろしく頼む」

「同じく陽泉2年の劉偉アル」

「1年の紫原敦〜」

「誠凛2年、小金井慎二!」

「同じく1年の河原浩一です」

「海常3年の小堀浩二」

「同じく2年の中村真也です」

「…同じく3年の笠松幸男」

「笠松先輩、オレに言われても困るんスけどぉー」

「うるせぇなシバくぞ!!!」

「もうシバいてるっス!!」



なんか、またまた個性的な人ばかりだなーと思っていると小堀さんに謝られた。

私だけじゃなく桃井ちゃんとリコさんにも。何でだろう?と顔を見合わせていると桃井ちゃんだけ納得した。え??


小堀さん曰く、笠松さんは女子が苦手らしく、写真に写ってるのもロクに見れないんだとか。

え、本当に苦手なの?苦手で留まるものなの?恐怖症になってません?3年間「ああ」と「違う」だけで会話?すげえ。

女の化物が出てきたら大変だろうなぁと思いつつ女子3人で苦笑いをした。



「えーと、今のところ全員揃ってるのって海常っスかね?」

「正邦は後の2人どうなんだ?」

「難しいところですかね」

「え?バスケ部は全員武術の授業取ってるって言ってませんでしたか?」

「そうなんだけど、坂本と大室はちょいと違うんよ」

「武術と言えば武術かもしれないですけどねぇ」

「まぁ、アイツ等も倒せるっちゃ倒せるだろうしな」

「ちょっと待ってくれ。さっきから武術とか倒せるとか何なんだ?」



事情を知らない笠松さんに主将が説明してる傍らで赤司くんとリコさんと話す順番を決める。

そういえば黄瀬くんが技をコピーしたことも言わなきゃならないんだった。危うく忘れるところだった。


話し合った結果、私のチームから話し始めることになった。うおぉぉ…初めて最初に話す気がする。



「コホンッえー、私たちは福井さんたちと合流した地下と思わしき階へ行きました。

途中で白い部屋が開いて中から化物が出てきたけどまぁいつも通り消しました。

福井さんたちが開けたら化物が大量生産された黄色いドアを開けたら貞子っぽいのだけいました。

それも消してから部屋の探索をしてたらタンスから1体出てきて消して…潜んでるの多かったですね。

で、黄瀬くんは模倣が得意なので私の動きもコピーできるんじゃないかと思ってコピーさせました。

それでタンスから出遅れた奴を倒してもらって戦力に加算しました。あの部屋に合計13体の化物がいたみたいです」


「マジか黄瀬」

「っス!雨っちの技のキレ半端ないっスよ!」

「13体か…部屋の広さは?」

「降旗くんを発見した子供部屋と同じくらいでした。この部屋の4分の1くらいですね」

「そう考えると、この部屋やけに広いな」

「まぁ、大広間みてぇだし不思議じゃねぇんだろうけど…」



黄瀬くんが戦力に加算したことを言うと先輩たちからグッジョブといった視線をいただいた。あざーす!

頑張ってるの黄瀬くんなんだけどね!とは言わずに親指を立ててキメ顔をする。


話が脱線しかけたのを見かねてか次に福井さんが話してくれた。



「んで、タンスの化物倒したら花宮がタンスの横にネジが嵌めれる仕掛けを見つけたんだよ。

雨倉が持ってたネジを嵌めたら小せえ引き戸みたいに開いて、中に紙切れが入ってた。

暗号が書いてあるからコレは全員経緯話し終えてからな。

それ以外は何の収穫もなかったから別の部屋を探索しようと思ったら高尾たちが化物に追われててな。

それも雨倉が消したら無事だったんだけど、部屋出た途端追われたらしいからその部屋に向かった。

ちょっと話すの疲れたから花宮パス」


「部屋に向かう途中でまた化物が二体出てきたが雨倉と黄瀬クンが倒した。

青いドアの部屋に入ると中は物置みたいだったな。ぬいぐるみとかおもちゃとかダンボールに入ってたし。

根武谷に肩車された雨倉が天井に貼られてた紙切れ見つけたんだがそれも最後に出す。以上」



花宮さん随分と簡潔に話すなぁ…あっもしかして私の報告って無駄話多い…?

自分の報告グセに気づいたと同時に高尾ちゃんと黄瀬くんが私がいかにかっこよかったか話してるのを聞いた。


何話してんだよお前ら。と突っ込みたくなったのは私だけじゃないようで緑間くんとか呆れてる。



「うーんと…次は誰話します?」

「そうだな…」

「それで黄瀬の頭軽く撫でてから技かけに行く雨倉ちゃんがイケメンすぎて」

「あれはオレら女だったら惚れてるっスね!!」

「きーちゃん達羨ましい!私も双葉ちゃんのかっこいいところ見たいのにー」

「プレイベートでもいつでもお呼びくださいませ!」

「ここぞとばかり輝くっスね雨っち」



そんなことはない。ただこんな美女にお願いされたら答えないわけにはいかないじゃん?じゃんじゃん?


と混ざってワイワイしかけていると赤司くんが「僕から話そう」と言ったので静かに座り直す。

これ傍から見たら躾された犬みたいだな私たち。そんな馬鹿な。
 
 

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