番外編

□バレンタイン
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今日は待ちに待ったバレンタインです。

でも土曜日で休日です。授業はないけど部活はあるんですよね。


つまり何が言いたいかと言うと主将に最初の本命をあげるのは私ということだぁああ!!!


「おっはよーございまぁぁああすっ!!」

「はよー」

「ういーす」

「やっぱ煩いと思った」

「バレンタインの持ってきたんだろ?どれだよ寄越せよ」

「ちょ、津川邪魔すんな!主将ー!!どこですか主将!!」

「何だ煩いぞ」

「主将!!今日は一段と輝いて見えますねっきゃっ言っちゃった!!」



頬に両手を当ててキャッとはしゃいでいるとシラーっとした目で見られた。

なんだよう…事実じゃんかよう……そんな目で見るなよう…


袋からフォンダンショコラの入った箱を取り出して主将に献上する。


春日先輩たちには普通のクッキー。力の入れようがあからさまだって?ふっ今更何を。


「随分手が込んでるな」

「本命ですから!!さぁどうぞ食べてください!!さぁさぁさぁ!!私からの愛情たっぷりですよ!」

「…いや、家に帰ってから食べよう」

「なんでですか!!?チョコ嫌いでしたか!!!?」

「今ここで食べても練習ですぐに消費されるだろう。それに味わって食べたほうがいい」

「…ッッ〜ぎゃぷでんぎゃっぎょいい…っ!!!」

「「うわ泣いた」」



なんて…なんって素敵なことを言うの…!!

だから主将モテるんだよ!!バレンタイン戦争を勝ち抜いて本命渡したぞゴルァァア!!!


主将大好きです!!!と抱きつくと受け止めてくれた。やん素敵。
※抱きつく=タックル


春日先輩たちも手が込んでないクッキーだと不服そうだったけど食べた途端テンション上がってた。

そりゃね。クッキーの中にチョコ挟んだりジャム挟んだりしましたから。


お世話になってるから当然ですよ!と言うと雨倉がまともなやつ作って…という声が聞こえた。


まぁ…誕生日にはパンケーキ投げたりロシアンルーレットケーキやったりしたから…

めっっっちゃくちゃ楽しかったけど!でも卒業したらもう…

シュンとしていると先輩たちにガジガジと撫でられ…撫でてんのコレ?めっちゃ痛いんだけど!!



「何ですかもう!痛いです!!」

「んな急にしおらしくなんなよ気持ち悪い」

「なっ」

「お前はただ岩村馬鹿でいりゃあいいんだよ」

「!」

「暇な時は顔出しに来るし」

「お前らが3年になったらもっと焦らせてやるし」

「「そこは勉強教えてくださいよ」」

「勿論だ。雨倉は元気が取り柄だからな。これからもその元気さでバスケ部を支えていってくれ」



先輩たちにそう言われてブワァアアッと周りに花が咲く。

もう皆大好きだーっ!と一人ずつ抱きつこうとすると逃げられたから追いかけてたらいつの間にか鬼ごっこになってた。


***

正邦のバレンタイン!


本命とはしゃいでますがそこに恋愛感情は一切ないんですよね。

あるのはただ尊敬とか親愛とかそういったやつです。尊敬が強い。
 
 

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