夢想曲1

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ふふふ…本当に今回の探索は早く終わりそうだ。

というのも、子供部屋の天井裏に何かあるか調べて何かあったら持って帰るだけだから。


もし本当に早く終わったら初めて一番乗りで大広間に帰れるんじゃないの!?



「というか…紫原くんに肩車してもらうのかー」

「赤ちんに言われたからだし〜…まぁ、アンタ小さいから仕方なく〜?」

「春日先輩とは違う緩さ持ってるね紫原くん」

「雨倉ちゃんも大概自由人だとオレは思うけどねー」

「えっウソ!!」

「雨倉さん、だったよな?子供部屋ってどんな感じだったんだ?」

「えっとですね、おもちゃが一切ない子供部屋です」

「えっおもちゃ一個もないのに何で分かったんだ?!すげーな!」

「小金井さんが思ってるほど凄くないですよー雰囲気的にそうかなって思っただけで」

「あぁ、あるよなそういうの」



…ど、どうしよう…今回のメンバー超優しい!!!!


誰も素っ気なくないし話しかけてくれるし続けてくれるし殴らないし暴言吐かないしいじめてこない!!


そう思ったら今までのメンバー酷い。というかよく耐えれてるな私。

もうずっとこのメンバーでいいよ。と思いながら人知れず出てくる涙を拭う。

よく頑張ったよ私。よくやったよ。今まである意味苦労してたからこんな素晴らしいメンバーに巡り会えたんだね。


なんて素晴らしい人選。万歳!!とひと時の幸せに浸りながら子供部屋に案内していると到着した。


先にドアを開けて中に化物がいないか確認しようと思いドアノブに手をかけると、誰かにやんわり止められた。

手を辿って上を見上げると、小堀さんだったようで少し驚いていると高尾ちゃんが前に出てきた。え?何?



「応用すりゃ視れるつったろ!それにいくら強くても女子を危険の最前線に出すほど男廃れてねーよ?」

「…ほ、」

「ほら、高尾が視るって言ってるんだし大丈夫だよ」

「ねー早くしてよ〜」

「雨倉早くこっち下がれよー!」

「…っ!優しい…!!今までこんなに優しい人たちがいただろうか!!」

「えっ今まで雨倉ちゃんがドア開けてたの?」

「まぁチームの戦闘要員私しかいなかったから…」



そう言うと紫原くんが大変だね〜?と言って頭を撫でてくれた。

ぐわんぐわん揺れるけどヌクモリティ溢れるメンバーにしてくれてありがとう赤司くんかリコさん!


あ、花宮さんは絶対にありえないっす。なんて思っていると高尾ちゃんが確認したようで入れるよーと声をかけてくれた。

でもテンションが高いので中に何かあったの?と聞くとメンバー増えるぜ!とニカっと笑って言った。


誰がいるんだろうと思いながら中に入ると、最初に目に入ったのは泣きぼくろの色気やばい人と大仏みたいなホクロの人。

他にも静かそうな人と若干主将に雰囲気似てる人。ふん、まぁ主将の方がかっこいいけどね!

ちょっと雰囲気似てるからって少しときめいたりなんかしてないんだからね!私が好きなのは主将だもの。


え、ていうか何?この部屋ってこんなホクロ率高めの場所だったっけ?いや違うよね。

それかこの部屋で何かがあってホクロが?何にせよホクロのゲシュタルト崩壊しそうだからこれ以上考えないでおこう。



「み…っ水戸部ー!!無事か!?怪我とかは!?そっか、よかったー!」

「…」

「オレは全然!日向たちもいるんだぜ!」


「え?今あの人しゃべって」

「ないね」

「あの、もしかして被せて」

「うん」

「やめてもらっても」

「無理」

「話を聞いてく」

「無理」

「何この人…」


「大坪さん!どっしり構えててビックリしたっすわー」

「相変わらずの笑い上戸で安心したよ。宮地たちは?」

「いますよ!すぐそこの大広間に」

「そうか。なら良かった…のか?知らない場所に全員集まってもな…」

「あ、今そういう天然ちょっと置いててもらえます?ちゃんと状況話しますんで」

「どこが天然なんだ?…おい高尾、なんで急に腹を抱えるんだ。おい?」


「アツシ!此処は一体何処なんだ?」

「ん〜知らない。オレも気づいたら此処に居たし〜」

「そうなのか…そういえば試合以外でお菓子食べてないアツシ見るのは新鮮だね」

「室ちん、オレ授業中もお菓子食べてるみたいな言い方しないでくれる〜?」

「Sorry.その時思ったことを言ってしまう癖があるみたいだ。誤解しないでくれ」

「まぁ別にいいけど…」



どうしてか分からないけど自然と私が大仏みたいに額にホクロのある人と話してた。

この人知らないけど、服装からするに花宮さんや原さんと同じ霧崎第一のようだ。性格悪いのかな?


性格悪いか悪くないかは一旦置いておいて、とりあえず恒例の自己紹介タイムに入るべく円形に座るよう言った。
 
 
 

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