夢想曲1

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「じゃあオレから。陽泉2年の氷室辰也だよ」

「こいつ水戸部凛之助!しゃべんねーから分かんねーと思うけど大丈夫!」

「霧崎2年の瀬戸健太郎。ふぁあぁぁ…ねむ…」

「秀徳3年の大坪泰介だ。宜しく」



そして私が自己紹介をしてから自己紹介タイムを終えて現状を話す。


水戸部さん一言もしゃべってないのに何で小金井さんには通じるんだろ?謎だ…

大坪さんがちょっと主将と似てるからってちょっとは、ほんのちょっとはときめいたけど浮気はしませんよ。

氷室さんは何となくなんだけどやらかしそうな人だなぁ…ちょっとアダルティーな人だな。

瀬戸さんのおデコのホクロ押したいすっごく押したい。どんな感じなのかな



「押さないでね」

「えっ今声に「顔に書いてる」あの「やめないよ」

「言う前に言われた…」

「いつも言われっから」

「直す気はゼロなんだな」

「それでアツシ達はこの部屋の探索に来たのか?」



氷室さんの疑問に対して待ってましたと言わんばかりに暗号の紙を見せた。

すると、瀬戸さんはすぐに分かったらしく成る程ねと呟いていた。頭の回転早すぎやしませんかね。


と、いうわけで私は紫原くんに。小金井さんは水戸部さんに。高尾ちゃんは大坪さんに肩車してもらった。


元々の身長差を埋めれるかなと思ってたけど2m越えの肩車凄い。ほぼ同じ目線だ。

3人でそれぞれ肩車してもらいながらもハイタッチをする。まさにハイ・タッチ!



「「「わーい!!!」」」

「そっちの二人は左右ね。雨倉さんは真ん中」

「「「はーい!!!」」」

「テンションが似てる3人だな」

「ふふっ何だか微笑ましいね」

「全員2m余裕で超えてるけどね」

「…」

「大丈夫だって水戸部!俺バランス力いい方だし!」

「紫原くん、重くない?平気?」

「うん。寧ろ乗ってるかわかんない」

「嬉しい答え方してくれちゃってー…そんな紫原くんには頭を撫でてあげよう」

「やった〜」

「緩い!!緩すぎっしょ二人とも!大坪さんオレはー?」

「重いが?」

「ちょっそこはノってくださいよーっ!!」



誰も殴ったりしてこないこのメンバーまじ最高。よし。この人たちは絶対に傷つけさせないぞ!と改めて決心した。


そして天井を押して何かないかなーと思っていると、一枚だけ違和感のあるところを見つけた。

もしかしてココ?と思いながらズラしてみるとビンゴで、横にズレていくので立てて斜めから下ろす。

裏返してみると紙が一枚だけ貼ってある。天井裏に入らなきゃなんないのかと思ったけどそんなことはないみたい。



「みっけ!」

「そういう本あったよな」

「オレはコーリーを探せ派だった」

「「オレもー!」」

「何かあったのかい?」

「紙が一枚だけ貼ってありましたーコレどうします天井の一部ですけど。さて紫原くんや降ろしてくれたまえ」



そう言うと何様のつもり〜?と言って左右に揺れられたので頭にしがみついた。やめれ。

何とか降ろしてもらってから紙を開けようとしたら皆が上から見てきた。


複雑な気持ちでいながら紙を開くと、書かれていたのは絵だった。



指で隠れている左下にも何か書いてあるようなのでズラしたら顔みたいなのがあってビビった。


これなんだろうなー変な引っかかりあるなーと思っていたらいち早く瀬戸さんが分かったと言った。



「もう!?」

「…もしかしてアレか」

「諏佐さんも!?」

「…あぁ!あれですか!」

「雨倉ちゃんの裏切り者」

「何故」



もしかして私バカだと思われてたの?まぁテンション的にそう思われるんだろうけどさ…

高尾ちゃんにもしかしてバカなの?と言うとプンスカと怒られた。怒り方優しいよ高尾ちゃん。

そしたら自然と授業態度の話になった。寝てる人多すぎないか?瀬戸さんに至ってはアイマスクしてるから説得力がやばい。


話をしながら大広間に戻るために見つけた紙をポケットに入れてドアを開けて外を確認。

何も居ないことを皆に伝えて子供部屋を出ると、横に不機嫌な顔をした高尾ちゃんが並んだ。


なんでそんな不機嫌……あっ部屋に入る前の事か。忘れてたからおこなのね。

お兄ちゃんなんだから我慢しなさいって言われて不貞腐れてるみたい。ププッかわいーねー。



「雨倉ちゃん!!」

「以後気を付けまーす」

「何で頭いいのに馬鹿なの!?真ちゃんと同類なの!?」

「緑間くんほど頭良くない馬鹿だよ!さっきの特別難しくないよ。皆も普通にやるよ?」

「バスケ?」

「ちげーよボウリングだよ。この丸いのはボールで逆三角形のはピン」



つい言ってしまったけど私が言うと成る程ーと納得した。そして私の前をズンズンと歩く。

バスケ部に入ってたら自然と男前な性格になったり無自覚たらしになったりするんでしょうかね。バスケ部マジック?


小堀さんと水戸部さんに頭を撫でられてテンションが高くなりながら大広間に戻るとやっぱり一番乗りだった。



「水戸部くん!小金井くんが居なくて通じたの!?」

「身振り手振りで頑張ったり瀬戸が通訳してくれたってさ!」

「「「え」」」


「おー氷室じゃねーか」

「大きな怪我もなく良かったです」


「えっ瀬戸!?ぶ「じ」怪我「してない」おま「やめないよ」やめろ!!!」


「大坪!木村は一緒じゃなかったのか…」

「あぁ。…大丈夫だ。アイツも縁の下の力持ちだからな」

「わぁーってるよ」



一番乗りの再会劇がこの調子なら残りのチームとの再会劇はもっと凄いんだろうなぁと静かに思いましたまる。
 
 

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