庭球の王子様

□Fire@Flower
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それに最近、ちぃを見てて分かったことがある。
ちぃは丸井先輩が好きなんだって。
部活中でも、俺と目が合ったかと思えばすぐに丸井先輩を目で追って…。


こうなる前に告白するべきだった、と思ったけど
それでもできなかったのは俺が臆病だったから。




がちゃ と部室の扉を開けると、丸井先輩が突進してきた。



「ちぃ!!!!!!ちょっとこい!!!!!」

『うぇ?!ちょ、ブン太先輩!!!!』



「…」



こうやって丸井先輩は俺の前からちぃをどこかに連れて行く。
俺のちぃを…と言えたらどんなに楽だったか…。





「なんじゃ赤也。ちぃ取られて拗ねとるんか?」

「仁王先輩…そんなわけないっすよ!むしろ清々してます!
 あいつかーちゃんみたいに小言ばっかり言ってくるんで」

「ほーぅ。俺はブンちゃんにちぃを取られて
 泣きそうな顔してるように見えるのぅ」

「んなわけ…」

「赤也は分かりやすすぎるんじゃ。俺にごまかしはきかんぜよ」

「…でもあいつは丸井先輩が好きなんで…」

「直接本人から聞いたんか?」

「見てれば分かりますよ。俺と話してても、いっつも目で追って…」

「まぁ、ちぃも恥ずかしがり屋やからのぅ」

「…こんな事なら、最初からちぃを好きにならなきゃよかったっす…」

「まぁ、そう言いなさんなって。ちぃに直接聞いたらいいぜよ。
 丸井先輩が好きなのかーって」

「言えたら苦労しないっす」

「赤也はそんなすぐに諦められるほどの気持ちじゃったんか?」

「!ちがっ…」

「なーら簡単に諦めたらいかんぜよ。諦めたらそこで試合は終了じゃ」

「それ安○先生…わかったっす!!!俺も男っすからね!!!!!
 うじうじ悩まずにちぃに好きって気持ちを伝えます!!」

「おーおーその意気じゃ」
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